浮気症な彼女の愛し方

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急に現れた江口に、二人は目を丸くする。



潤「なんで江口が？」

『江口と家が近いんで、毎回送り迎えしてもらってるんです！夜は危ないからーって！』

櫻「なぁんだ、俺が送ってこうと思ったのに」

江「じゃ、A帰ろっか」



私は頷いて、二人に手を振った。

二人は未だ困惑した顔をしながらも、また明日、と手を振り返してくれた。

それからお店から少し離れた通りで、江口が私の手を握る。



『なにー？笑』

江「…いや？」



そう言う彼はむすっとした表情を浮かべていて。

あー、可愛い笑

私はクスリと笑って握りしめた手に指を絡めた。

江口はビクッと肩を震わす。



『嫉妬した？笑』

江「…してないし」

『嘘だぁ笑』



そう笑った私の頭を撫でる江口。

その顔は、いつもと同じ様に笑っていて。

私は首を傾げた。



江「いひひ笑」

『なんだよ、もー！笑』

江「いやー？笑」



Aが俺だけのものとか、幸せすぎるなーっ、て。

その呟きは、私の耳には届かなかった。



江「でも！あんま他の人と飲み行っちゃダメだかんな！」

『はいはい笑』



ぷくっと頬を膨らます江口は、背が高いくせに小動物の様で、愛らしい。

さっきは寒かった夜風が、熱った体を冷まして気持ちがいい。

私は目を細めて江口を見つめ、握りしめた手に力を入れた。


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