【獄都事変/男主】そうじゃなくてさ。

３８話 ページ47

部屋のベッドに転がって
スマホ弄りながら音楽を聴いてた

軽快なドラムの音と
少し重ために弾かれるベース

ボーカルの声によってまた映える楽器の音に惹かれてく

この曲は平腹に教えてもらった
『特別な』曲

バンドをやってみたいとまで言わないとしても

こんだけ好きな音書き鳴らせたらどれだけ楽しいかな

いいな、単純に

そんなこと思いながら
コーヒー牛乳はストローを通っていく

横向きに寝る時
ヘッドホンって耳が押し付けられて痛くなるじゃん
だけどイヤホンより立響感あって好きなんだよね


平腹「A？」
A｢うわ！｣


ヘッドホンを外されたすぐそばで聞こえた大きな声

平腹「ごめん！ノックしたんだけどさ」
A｢あ、ノックしてたのか。じゃあ、いい｣

耳元で大きな声だけど
なんてのは今更慣れた
慣れって怖い

でもコレ慣れちゃダメだよね
耳おかしくなってるって事だよね
平腹のせいで

平腹のせいで(大事なことなので2回言いました)


A｢ご要件は何で御座いやすか｣

あくまでベッドの上に座り直す

平腹は床に腰を落とした

平腹「あのさー！」

胡座でゆらゆらと揺れながら話し始める平腹

平腹「オレ、さっきお前の事好きって言ったじゃん？」

ぴたっと止まって俺を見る

平腹「べつに冗談じゃなく本気なんだけど」

頭をがしがしと掻く

平腹「付き合いませんか？的な！｣

…えええ
軽くない？

コレ一応告白ってやつでしょ？

こんな軽くていいの？
知らんけどさ

平腹「んで、返事ちょーだい！」
A｢はやくねぇ！？考える時間は？｣



平腹「オレ、フラれる気しないし」

よくわかってんなって思った

平腹「オレ、出会った時の一目惚れな」
A｢はは、奇遇だな。俺もだ｣

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