第30話 遅刻の時間 ページ32
朝、目が覚める。
今日から修学旅行。
昨日は念入りに念入りに持ち物のチェックをし、回る箇所の確認をしたりと、とても楽しみにしていた。
さて、折角の家族じゃない人との旅行。
少しぐらい素直になれたら良いな、なんて思う。
私は座ったままの状態で体をぐっ、と伸ばし、直ぐ隣の台の上の時計を見て、
………………もう一度見た。
「えっ、えぇ！？ええええ！？」
何度も何度もコレが現実で無い事を願いながら、時計を見る。
しかし、現実は非情。
時計には無感情(まあ時計に感情は無いけど)に示される、集合時間十分前の時刻。
集合時間「十分前」の時刻…。
「な、何でっ…！？」
まぁ、ここは冷静にいこう。
こういう時は冷静さが大事だ、うん。
まず、今から朝食を済まして顔を洗ったりと用意に必要な時間は約15〜7分。
そして、家から集合場所まで掛かる時間は約30分程。
つまり、本当に大体で考えて、今から集合場所に着くまでに有する時間は……
………………四捨五入して、50分だ。
あっ、もう絶望的。
私はもう旅行には行けず、E組の皆さんから不良として認識されるのか。
「もう嫌だ…。最悪だ……」
もう人生詰んだ気がする。
え？元から詰んでるだって？ああそうでしたっけ喧嘩売ってるんでしたら相手になりますよコノヤロー。
「………よし、もう遅刻しちまえ」
私はなるべく急いで準備を始めた。
＊
「…野ツ田さん、遅いね」
「そうだね…。どうしたんだろう…」
「おや？野ツ田さんはまだですか。珍しいですね…。もう七分も過ぎているのに。様子を見て来ますかね」
「あ、殺せんせー」
「お、遅れましたぁぁぁぁあ！ごめんなさいごめんなさい！切腹して来ます！！」
あの後。
準備を済ませば、笑顔で「車で送ってあげるわよ」と微笑む母さん。
私は申し訳無さも抱えつつ、その言葉に甘えさせて貰ったのだ。
私は母さんにお礼を言ってから、その後ダッシュで皆さんの集まる場所に向かった。
どうやら、既に皆さん揃っていた様で、申し訳無さすぎて切腹したい。
しかし、心優しい天使な茅野さんに止められた。
…貴方の御味噌汁を毎朝飲みたいです(突然のプロポーズ)。
「大丈夫？顔色悪いけど…」
え、遅刻を快く許してくれた私の体調も心配してくれてる…？女神かな？
「寝坊して朝御飯抜いて来たんです。
まぁ、軟弱じゃないですし。大丈夫に決まってますけどねぇ？」
「…そっか」
「はい」
…さて、旅行楽しみだなぁ。
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葡萄マスカット(プロフ) - (^ω^/さん» あ…ww誤字です。教えてくださり有難うございます (2017年5月14日 23時) (
レス) id: 61468344c7 (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^/ - 16月11日とは？ (2017年5月14日 18時) (レス) id: 36a0df6a1b (このIDを非表示/違反報告)
葡萄マスカット(プロフ) - 無花果さん» はい！これからも頑張らせていただきます！ (2017年3月21日 19時) (レス) id: 61468344c7 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(プロフ) - ですよね！よかった、あってた...ストーリーとかすごく好きです！これからも楽しんで読ませていただきます！更新頑張ってください！ (2017年3月21日 17時) (レス) id: 121835ea6e (このIDを非表示/違反報告)
葡萄マスカット(プロフ) - 無花果さん» ミカグラのおとねちゃん！可愛いですよね！そうです…よく分かりましたね…そう！おとなちゃんを参考にしたんですよ！どうぞこれからもよろしくお願いいたします！ (2017年3月21日 1時) (レス) id: 61468344c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄マスカット 紅葉狩り | 作者ホームページ：不思議の国のマリオ
作成日時：2017年2月11日 0時
