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「来ましたよ〜」


初めてキスをしたあの教室へふらふらと向かうと、机に腰掛けるユンギさんの姿。



「遅いな」


「講義終わってすぐ来ましたよ」


「それはそれは」


「用件は?」


「こっちこい」



本当に何考えてるんだこの人。
ユンギさんの目の前に行く。はぁ、かっこいいな。

白い肌によく映える、真っ直ぐな瞳。
3秒もたたないうちに逸らしてしまった。



心臓がずっとずっとずっとうるさい。
顔赤くなってるんじゃないかな。
気づかれたくない。

単純な女だと思われたくない。
好きになってしまった理由はわからないけど、
抱かれたから好きになったって思われたくない。




「こっち向け」


「用件はなんですか」


「なんもねぇよ」



セフレだよ、用件何もないけど会おうってつまりシよってことでしょ?違う?



「が、学校ではしませんからね」


「キスは?」


「やです」


なんでそんなに触れたがるの?
触れられたらもっと好きになりそうで嫌だ。


こうして向かい合っている今も私だけがド○○キしてるんだよね。はぁ、バカだな私、なんでセフレ好きになったんだろ。何が好きかもわかんないのに。




「嘘付け、んな顔して」



「んっ…!」






強引なキス。




なんで。


なんでキスするの、




「っ…ん、」







甘い。




響き渡るリップ音がより一層私をダメにする。



ユンギさんの舌の熱も、私の腕を握ったままの大きな手も、私の頬に添えられた左手も、全部、ずるい。



「っは…やっぱお前とのキスは甘いな」




満足そうにニタリと笑うとまた私の頭をポンポンとする。


そんな顔するな。そんなことするな。


好きだと思いたくないって思ってるのに心臓はどんどんどんどんうるさくなっていく。






…私はただのセフレだ。





「ユンギさんも甘いですよ、」




挑発的な皮を被った私が言う。




本当に甘い。
でろっでろだよ。
溶かされるわ。


ユンギさんがちょっと楽しそうに、そうか、と笑うからまた目をそらしてしまう。


気づいた。私、この人の笑顔に弱い。


歯茎がちょっとだけ見えて、目がきゅってなって、口角が上がって、可愛くて、たまらないな、って思う。




.





.





…あぁ、もういっか、好きで。







「甘いの、もう一回ください」






また皮を被った私が言う。



「いいよ」





___ただただ甘いキスを繰り返す。




「…そういうことね」



____外からする声は、聞こえないふりをして。

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作者名:まふゆ | 作成日時:2018年11月29日 1時

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