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「待ってその話聞いてない」
「言ってないもん」
次の日のお昼休み、幼馴染で一番仲のいいレナにユンギさんのことを少し話した。
…好きになってしまったこと以外は。
「しかもユンギさんでしょ？サークル一緒。もうほぼきてないけど、あんまいい噂ないよ」
「そうなの？」
次の講義で使う空き教室には二人しかいなくて、堂々とこんな話もしてしまえる。
「サークル中の女の子食べまくってたって聞いたことある」
「ほぇ〜」
「本当に何も知らないでそこまでしたの…」
「名前も知らなかったよ」
「名前も知らない男の人とちゅーしちゃうなんてほんと危機感もなんもないねぇ…レナ心配だよ」
本当にそればかりはよくなかった。
…あのキスがなければ私は抱かれてないけど。
「まぁ大丈夫でしょ、たぶん？ただのセフレだし」
「セフレかぁ…A、危険だと思ったらすぐに逃げなよ？」
「うん。」
「ほんとにわかってる？」
「大丈夫」
お昼に買ったサラダをむしゃむしゃしながら、ユンギさんについての話をした。
「レナ、バスケサークルだっけ？」
「そうそう」
「ユンギさんもそこにいたってこと？」
ねぇ待って絶対かっこいいじゃんバスケとか。
ぱっと見た感じやる気なさそうだけど想像したらめちゃくちゃかっこよかった。
「いたけどここ2ヶ月くらい来てないはず」
「あらま」
「マネージャーさん何人か食べられてたみたいだし」
「え？レナは？」
「ないない！1年生とした情報は聞いてないかな」
「ほぇ…」
「あくまでサークル内での話だから、来てない2ヶ月の話はわかんないよ？」
「うん。性欲がえげつないことはわかった」
「ほんとに大丈夫かA…」
セフレ。
…セフレか。
いやそもそも友達ですらないからただのセ？笑
「噂をすれば何とやらだよ」
レナが私の顔をぐいっと廊下の方へ向けると、
「ユンギさんだ…」
楽しそうに他の男の人と話して歩く姿が見えた。
目がきゅってなってた。
あんな風にも笑うんだ。
「A？」
「はい」
「今めっちゃ恋する乙女オーラ出てたけど大丈夫？」
「気のせいだと思うよ」
「いやいや今の目よ、キラキラ〜ってしてたよ」
「してない」
「すきなの？」
「しらない」
アホか私は。バレるほど分かりやすい顔してたのか。
まぁさすがレナさんです。その通りです。しらないとか言ってごめんね。
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作者名：まふゆ | 作成日時：2018年11月29日 1時
