検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:17,387 hit

_13 ページ13

.





「A」



「はい、」



「大丈夫か?」


「何がでしょう…?」


「体とか」


「体?」


「痛いとことか…」



思わぬ気遣い。
優しい。そしてかわいい。



あなたが全部全部丁寧にしてくれたからどこも不調はないですよ〜なんてね。



「大丈夫ですよ、ありがとうございます」


「よかった」


お前いまぼーっとしてたからどっか悪くなったかと思ったわ、と笑う。


いちいち笑顔が可愛いからやめてほしい。






この人の一挙一動でこの人を好きになりそうで怖い。



.






.






「あ…雪見だいふく!」



駅まで歩く途中、さっきのコンビニを通り過ぎた時にふと思い出した。




「食べるの忘れてたな」


「はい…」


「そんな残念かよ」


「だって好きだし」


せっかく買ってもらったのに。



「…また来たらいい」





…行くじゃん今度。
行くじゃん、セックスしに。



きっとユンギさんにとって、あくまで目的は行為で雪見だいふくはそのオマケね。



「金曜日まで食べないでくださいね!?」


「どーだろ、なくなってたらすまん」


「むり。そうなったら倍にしてもらいます」


「そんな食べんのかよ」



う、いまちょっと引かれた?
…食べすぎる女の子は可愛くないだろうな。




「…好きなものはいくらでも食べれるし」



ぼそりと呟くと、ほー、とだけ答えて。



.


人が1人もいない駅に到着した。



「じゃあまたな」


「はい」




ユンギさんの元を離れ改札へ向かおうと足を向けると、腕を引かれた。




.




何か言いたげな表情で私を見て、





.







「…気をつけて」






.






私の頭をぽんぽんと優しく叩く。





.






「…ぇ、」




…やめてよほんとに。



そんな優しそうな顔しないでお願い。



.









心の奥がきゅってなったよ、




「…気をつけます、」



私の頭から手を離すとフッて笑って私に背を向けた。




…心臓の音がうるさい。





改札まで走ってホームへ駆け上がる。




まだ止まらない心臓の音が、
誤魔化すなって言ってる。






.









セフレに恋愛感情を持ち込んだら負けなら、


私は負けだ。







.






「あんな顔されて好きにならない人いる…?」

_14→←_12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
288人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まふゆ | 作成日時:2018年11月29日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。