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やめた。
抱きつきたい気持ちは何処かに消えて、
私はユンギさんの横に並んだ。
躊躇った。
ダメな気がした。
セフレなんだから行為だけに留めておくべきだ、と
思った。
なんでかわからないけど抱きつきたい欲はおとなしくどっかにすっこんでくれた。
怖かったのかもしれない。
好きになってしまうんじゃないかって。
「…？なんかすると思ったのに」
「しないですよ」
「してもいいって言ったら？」
「…しない、」
「なんで？」
「なんとなく」
セフレに恋愛感情を持ち込んだら負け、と
誰かが言ってた。
ぼーっとしていたらユンギさんが顔を覗き込んできた。
綺麗な瞳が私の目をじっとみてくるから思わず目をそらす。
「…どうかしましたか？」
「お前の目すげえ綺麗な黒だから」
「黒…？」
「澄んだ色してるから」
嘘をつく人の目は濁って見える。真っ直ぐな人間の瞳は澄んでいる、とユンギさんは言う。
「嘘ついたらわかるぞ」
「ついてないもん」
「どうかな」
「そういうユンギさんは？」
「見るか？」
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. . .
目を見つめること3秒、
むり、恥ずかしい。見れないわふざけんな。
「どうだ？」
「わかりませんでした」
「ちゃんと見てねぇだろ」
「むりむり見れませんって」
「何？恥ずかしい？」
「べつに恥ずかしくない」
「じゃあなんで目そらす」
また私の目を覗き込むユンギさん。
顔近い、待って、顔近いから。
思わず後ずさりしてしまう。
見つめられるわけない。
「あ…あー！お腹すいたなぁ！早くユンギさんの手作り料理が食べたい！」
「はぁ？」
なんだお前、と軽く笑うユンギさん。
恥ずかしいのもバレてる。
それを見越してわざとこうやってまた近寄ってくるのもわかる。
「…顔赤いけど」
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本当にいじわるだな。
「お、お腹空いたんです…！」
「お腹すいたら顔が赤くなんのか？」
「そうかもしれないです！」
「ほー」
「とにかく早く作ってくださいお腹すきました！」
「はいはい」
ニタリと笑うとあっちで待ってろ、と今度こそ本格的に料理を始めるユンギさん。
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目を見るくらいなんとでもないはずなのに。
なんで恥ずかしいと思うんだろう。
シたから？それだけじゃない気がする。
そんなことを考えながら、ユンギさんの手料理を待っていた。
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作者名：まふゆ | 作成日時：2018年11月29日 1時
