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金曜の昼休み。
いつもの女が待つ教室へ向かう。
人通りがほとんどなくて、あまり使わない教室。



「待ってたよ」



いつもの女は早く抱いてくれと言わんばかりの目でこっちを見てきた。



「犬かよ」





もう飽きたわ、こいつ。



もともとこの女に興味があったわけじゃなくて
たまたま寄ってきたから相手しただけ。



「犬でもなんでもいいから早く、ね」



「はいはい」



いつも通りにキスをする。





こいつとの行為にもう飽きた。
1ヶ月持ったか?



ほぼ毎週金曜日はここで会って、
昼休み後の3限の講義は出ずにこいつを抱いてた。


付き合ってるわけではないから、関係性を言葉にするのであればいわゆる"セフレ"。






それに飽きた。




舌を絡ませながらでも考え事をするくらい余裕がある。
昔と比べたら随分大人になったんじゃないかとすら思う。





「…ぁ、」





教室の外から、この女とは違う人の声が聞こえた。

…ドア開けたままだった。




閉めにいくのも変だしもうこいつに飽きたし適当にあしらって教室を出ようと唇を離そうとしてもなかなか離してくれない。



教室の外に人いるんだけど。
めっちゃ覗いて見てるみたいだけど。
やめなくていいのかこの女は。



タイミングを見計らって唇を離す。




「終わり。今日はやめる」


「え、なんで…ユンギ?」



今日は、というか
もう飽きたから、この関係に。




「またな」




掴まれた手を振りほどく。




「え、ちょ、ユンギ?」



無視してドアへ向かうと、
中途半端に隠れた女を1人見つけた。




「覗き見?」


「たまたま通りかかったらドアが開いてたんで」


「へえ、」



挑発的な笑みをこちらに向けるも、少し脚が震えている。


…余裕があるんだかないんだか。




この女にも背を向け、歩き出す。





たまには3限も出るか。

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作者名:まふゆ | 作成日時:2018年11月29日 1時

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