８.狐面 ページ8
剣持視点
「え、これどういう状況ですか。」
目の前に広がる地獄に、
目を瞬かせる。
え？そんなことあるか？
遡ること３分前ーー
部活終わり、僕は今日も伏見宅にやってきた。
疲れた体を癒すには、この家の空気がいい。
マイナスイオンか、霊的な磁場なのか。
鍵を勝手に開けて家の中に入る。
居間に誰もいなかったので、和室に向かった。
今日の夕ご飯はどうしようか。
カレーの気分ではないし、
久々に３人で外食もいいかもしれない。
夕ご飯について考えながら、
和室の襖を横に引く。
そこには、シュールな光景が広がっていた。←今ここ。
座って湯呑を傾ける、でろーんさん
その前で狐のお面をかぶって踊り狂う、ガッくん
でろーんさんの横で気づかわしげにガッくんを見る、Aさん
「あぁおかえり、剣ちゃん。
がっくんがわたしとAのマリカータイムを邪魔したから、
代わりに余興をやってもらってる。」
「いや、なんででろーんさんがこの家にいるんですか…」
あんた関西住みだろ…
何の連絡もなしにくるのか。
この人が神奈川にいるということは、
絶対にあの人もいる、というわけなのだが。
すすす、とAさんが僕の横に移動する。
ぷるぷると震える姿に、僕は憐みの瞳を向けた。
「失礼のないようにしてください、の意味がわかったよ、刀也くん…」
この様子だと、ガッくんは失礼を働いてしまったのだろう。
この間も、ガッくんは踊り続けている。
辛そう。
「あぁ、もうええでがっくん。」
興味を失ったかのようにでろーんさんは言った。
解放されたガッくんは、すぐさまお面を外した。
ぜぇぜぇと肩で息をしている。
スポーツをやっていない成人男性は急に運動をすると死にかける、と本人が言っていたっけ。
汗の滴るその顔にタオルを押しあててやった。
「大丈夫ですか、ガッくん。」
「だいじょばないねぇ。ありがとう、とやさん。」
ととと、と走ってきたAさんは、ガッくんに水を渡す。
水を受け取ると、彼は一気にそれを飲み干した。
「…ぷはー！！！生き返るっす！」
ほ、と一息つくガッくん。
なんだか家族、みたいだ。
でろーんさんが口を開いた。
「とりあえず夕飯を食いたい。
食事処、調べてあるんやろ？」
ほっとついた息も、つかの間の安息のようだ。
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まつくぐり(プロフ) - hikaさん» コメントありがとうございます。応援を糧に、無理せず更新頑張ります！ (2023年4月10日 17時) (
レス) id: de127923cd (このIDを非表示/違反報告)
hika(プロフ) - コメント失礼します…!!私は1番か、2番がいいです！けどやっぱり大事なのは主様なので、無理はしないで下さいね!!これからも頑張って下さい✨ (2023年4月10日 13時) (レス) @page38 id: 41773f4ad4 (このIDを非表示/違反報告)
まつくぐり(プロフ) - ものさん» コメントありがとうございます！ (2023年4月9日 22時) (レス) id: 2357e3fc93 (このIDを非表示/違反報告)
まつくぐり(プロフ) - 寝る子は育たなかった（ねるか）さん» 素敵なコメントありがとうございます。更新頑張ります！ (2023年4月9日 22時) (レス) id: 2357e3fc93 (このIDを非表示/違反報告)
まつくぐり(プロフ) - 美也さん» コメントありがとうございます！お言葉とお気遣い、本当に嬉しいです。更新頑張ります。 (2023年4月9日 22時) (レス) id: 2357e3fc93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつくぐり | 作成日時：2023年1月19日 21時
