４.銀色 ページ4
「…それで、オレにドッキリを仕掛けよう、と。」
呆れたようにガクさんがため息をつく。
そんなガクさんの前に、俺と刀也くんは正座していた。
１０度くらい下がっていた気温は、いつの間にか元の温度に戻っている。
今は真冬なので、戻って本当に良かった。
前にも言った気がするが、神奈川の冬はかなり寒い。
あと１０分この気温が続いていたら、死んでいただろう。
「首謀者はとやさんっすね。
…何笑ってるんすか。」
「いやぁ、怒ってるガッくんって珍しいなぁって。
あ"ッすみません。ごめんなさい…。」
絶対零度の笑顔を浴びせられて黙る刀也くん。
しかたない。
助け舟を出してやろう。
「…ガクさん、カレー食べよう？」
俺と刀也くんは2人ならんで台所に立っていた。
にんじんを切る。
鍋の中に、狐の形に切ったものを紛れ込ませた。
…ガクさんが食べたら共食いになるなぁ。
「…ガッくん、Aさんに甘すぎません？」
ぼそぼそ、とジャガイモを切りながら俺に言う刀也くん。
「んね〜。」
玉ねぎを手に取りながら適当な返事をした。
ガクさんは犬系である。
そしてガクさんは俺のことを子犬系と言った。
つまり、こどもor弟として俺のことを見ている、
というわけである。
そりゃあ甘くなるわけだ。
「知りたかったことは分かりましたね。」
ガクさんは…人外は、全てを見通せるわけではない。
しかし、ヒトよりも第六感の働きが強いようだ。
「…十分な情報とは言えませんがね。」
ちょっと不服そうに刀也くんは言う。
まぁ、いいじゃないか。
どうせじきに分かるだろう。
ヒトならざるモノの生態なんて。
だってここにサンプルがあるんだから。
じっくり、ゆっくり知っていこう。
時間をかけた方がいいこともある。
カレーも、2日くらいおいた方が美味しいらしいし。
銀色のカレー鍋に映った自分に、笑いかけた。
「なんで鍋と微笑み合ってるんですか…」
刀也くんにドン引きされた。
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まつくぐり(プロフ) - hikaさん» コメントありがとうございます。応援を糧に、無理せず更新頑張ります！ (2023年4月10日 17時) (
レス) id: de127923cd (このIDを非表示/違反報告)
hika(プロフ) - コメント失礼します…!!私は1番か、2番がいいです！けどやっぱり大事なのは主様なので、無理はしないで下さいね!!これからも頑張って下さい✨ (2023年4月10日 13時) (レス) @page38 id: 41773f4ad4 (このIDを非表示/違反報告)
まつくぐり(プロフ) - ものさん» コメントありがとうございます！ (2023年4月9日 22時) (レス) id: 2357e3fc93 (このIDを非表示/違反報告)
まつくぐり(プロフ) - 寝る子は育たなかった（ねるか）さん» 素敵なコメントありがとうございます。更新頑張ります！ (2023年4月9日 22時) (レス) id: 2357e3fc93 (このIDを非表示/違反報告)
まつくぐり(プロフ) - 美也さん» コメントありがとうございます！お言葉とお気遣い、本当に嬉しいです。更新頑張ります。 (2023年4月9日 22時) (レス) id: 2357e3fc93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつくぐり | 作成日時：2023年1月19日 21時
