読み切り、横尾さん

パラレルストーリー:もしも藤ヶ谷君が振られていたら ページ10

「たいすけ……」

食事を終えた後君がいつにもまして真剣な表情で俺を見つめる。

「ごめん！太輔のことは大好きだけど……やっぱりそれは恋愛感情じゃないんだよ……」

そう言って泣きながら伝える君。

「亀梨君と付き合うの？？」

ヤバい、声が震えてる。

「ううん、亀梨君はそういう対象じゃないし」

ほっと胸をなで下ろす。

「じゃあ、他に好きな人が居るの？？」

「ううん、いない……でも、今俺、踏ん張り所だと思うんだ。だから……そういうこと、考えられない。本当ごめん。」

「でも、太輔のこと、一番大切なことに変わりはないから」

そう言って帰っていった。

正直、半分半分だって思ってたからどこかで受け入れてる俺がいて、でも………諦めるなんて無理。

今は考えられないなら、俺のこと意識して俺がいないと位の感情にすればいいんでしょ？周りから固めていけばいいよね？？

「俺のわた」「昨日わたが」……って雑誌でもテレビでもキスログでも君の事を言い続けた。北山には

「言いすぎだし、振られたくせに諦め悪い」
って言われたけどこっちは必死。14年間の思いだから。

でも楽屋にいるときはあまり君の側に行かないようにした。君があれ？？って思ってるのがわかる。連絡回数も少し減らしてみた。

「最近ガヤさん側にこないね」

なんて明らかにニカに言われるくらい。だから君の側には俺以外のメンバーが隣にいる。本当はすごく嫌だけど我慢。

「ガヤさん、渉気にしてるよ？」

ある日玉に言われた。君が振ってしまった事で俺を傷付けてしまった事。

「もう親友でもいられないかな……」

って泣いてた事。

君を泣かせた事は胸が痛むけど……でも

そんな日が続いて2週間程たった日。SMAPさんのライブ中継ゲストで明らかにやらかした俺の肩にそっと手を置いてくれて俺の失態を消し去るくらい笑いをかっさらってくれた。


「わた、ありがとう」

「なにが？」

「さっき……」

「え、別に 笑」

そう言って笑ってくれた君。

「太輔が大切って言ってるでしょ？それはかわらないから。太輔はもう俺のこと……あ、なんでもない!」

そう言って真っ赤な顔して急いで走っていった。

１人残された廊下でにやける。
君が大分俺に恋愛に近い感情抱いて来てるって期待。

メンバーだし、これからもずっと一緒。

だから絶対振り向かせるから。

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