読み切り、横尾さん

ニカちゃんと横尾さん ページ33

今日はPVの撮影。

中居さんから

「自分たちで考えてやってみて。」

って言われて。

ビアガーデンのシーン。

ニカも健永も宮田もはっちゃけてて、楽しそう。


色々悩んで舞祭組の活動してると思うけど、皆一生懸命全力で取り組んでるなって嬉しくなる。

「ワッター」

不意にニカに呼ばれる。

「ワッターもはじけなきゃ!」

「え？？あ、皆はじけてるしいいかな……って」

「ダメ！」

大きな声に皆がこっちを見ている。


「ちょ、ニカ」

「ワッター、もう後ろから支えるとかいいから。俺たちだって大分大人になったよ？？もっと自己主張してよ。ファンの子たちだって楽しみにしてるんだよ。」

う、そんなウルウルした目で見ないでよ……

「わかったよ。どうしたらいい？二階堂P 笑」

「じゃあ、ジャケット脱いで、シャツで!!」

「へ？？」

「だって、ほらバランスもあるし。それにワッターのシャツ姿破壊力抜群だから」

って早口で。

俺がジャケットを脱いだらちょっと顔を赤らめてた。

「い、いいよ。うん、めちゃくちゃいい!!」

そういって力強く抱きしめられた。

「こらこら、どした？？」

頭をポンポン撫でたら

「いいものに、しようね」

って言われた。

「うん、ファンの子に沢山喜んで貰えるようにしようね!」


ヘヘヘ。ワッターにナデナデしてもらった。抱きついても拒否されないし。しかもワッターのシャツ姿破壊力ハンパない。

ガヤさんのものかもしれないけど、こうやって仕事中にガヤさんの知らない姿見れるのは俺だけの特権だもんね。

やっぱりワッター大好き！


……………………………………
後日。

「ニカ。これなに？」

キングに壁どんされながらスマホの画面を見せられる。

「え、」

あ、俺が抱きついた日の写真じゃん。

「そ、そ、……」

目が怖すぎて言葉が出ない。ウワーン、誰か〜

「太輔!!」

あ、神様女神様ワッター様。

「わた♡」

は、なにそれ？ワッター来た瞬間デレデレ顔。

「ニカ、大丈夫？？」

「怖かったよ」

そういって思いっきり細い腰に抱きつく。

「もう!!太輔、ニカに謝って!!」

「え？？？」

「太輔また勝手に嫉妬したんでしょ？？ニカ可哀想じゃん」

って説教されてる。ガヤさんもひたすらごめんを連呼。

ヘヘヘ。
俺本当に幸せ。

ワッター俺を庇ってくれるし。

恋人にはなれなくても、この甘やかされるポジションも悪くないなって。

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