ノスタルジア 3 (ページ38)

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nb「俺さ‥‥」

僕が黙り込んでしまった後、しょっぴーも僕から目線を外し、少し下げた視線のままポツリポツリと話し始めた

その顔はどこか憂いだ表情で、とてもアラサーとは思えない程きめ細かい白い肌と相まって、儚い雰囲気に感じて、キレイだなって思ってしまった

nb「俺、ラウールに謝らなきゃいけない事あって」

僕にとって、しょっぴーに謝られるような心当たりもなく、ただただハテナマークが頭上で飛び交うばかりで

ru「しょっぴー、何かしちゃったの？」

逆に聞き返したら、またしょっぴーが『ふはっ！』って笑った

nb「いや、知らなくて当然だから。俺さ、ラウールと涼太が店近くの公園で話してたの、実は隠れて聞いてた」

ru「え‥‥嘘‥‥」

1番聞かれたらマズイ人に聞かれてしまったショックと

僕の吐露した気持ちを知られた恥ずかしさとかで

いろいろ追いつけないでアワアワしちゃったら、やっぱ笑われた

nb「そんな慌てる事じゃねーじゃん。
あん時のお前、すげぇ格好良かったよ。んで、色々‥‥まぁ、ショックだったけどラウールに感化されたとこあったし負けてらんねーなって思ったわけ

だから、俺も涼太に伝えたよ‥‥」

そう言うんだけど、しょっぴーの表情はあまり晴れやかとは言い難い

ru「うまく、いったんだよね？」

nb「わっかんねー。初めに傷つけたのは俺の方だから、涼太の気持ちが固まるまで待つって決めたけど‥‥

宙ぶらりんになった気持ちの置き場に困るっつーか
まぁ、ぶっちゃければキツいかな」

しょっぴーから小さく掠れた笑い声が漏れて、気がつけば最寄り駅の近辺までやってきていた

nb「あ、俺ここだから‥‥」

ru「う、うん。‥‥‥あっ！待ってしょっぴー。」

駅へ向かうしょっぴーの背中に向かって名前を呼べば、しょっぴーはゆっくりと振り返った

ru「僕応援する！だって諦める気はないんでしょ？だからダテさんに会いに来たんでしょ？」

nb「ふはっ！年下で、しかも俺にとっちゃライバルのお前に応援されてもなぁ‥‥」

そんな風に言うわりに、顔は嬉しそうだ

nb「でも‥‥うん。諦める気はないよ。ありがとうな」

しょっぴーはそう言って、軽く手を振り足早に駅へと姿を消した

僕はその背中が見えなくなるまで見送った後、いつもとは違う道から帰る事にした

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