ノスタルジア 3 (ページ36)

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ru「じゃ、僕帰ります！ダテさんご馳走様でした」

あまり長居するのも空気読めない奴だって思われそうだから、僕はカウンターに広げたままの答案用紙を掴むと席を立った

nb「あ、ちょっ！ラウ、俺もそこまで‥‥」

しょっぴーが僕に何か言いかけてたけど、僕は振り返らずに真っ直ぐ出入口の方へと歩いた

dt「ラウール！」

ダテさんに呼び止められて、ドアノブに手をかける手を止めた

dt「ありがとう」

ru「‥‥いえ！また明日からよろしくお願いします！」

僕は今、普通に笑ってるかな‥‥

ダテさんが笑顔で頷いて、ヒラヒラって手を振ってくれた

その姿に胸が苦しくて、込み上げてくる感情を抑えながらお店を出た

店の前にある小上がりの階段をテンポよく下りる

モヤモヤする気持ちを晴らすように勢いよく顔を上げた

空が青くて吸い込まれそう

夏が近づき、随分と日が伸びたから、太陽は少し西に傾いてるけど、まだまだ空は明るい

僕はせっかくだから遠回りして帰ろうと決めて、再び歩き出した

nb「ラウール！」

背後から呼び止められて振り返ると、しょっぴーが僕を追いかけ小走りで向かってきていた

nb「駅まで一緒に行こうぜ」

なんで？どうして？そればかりが頭に浮かぶ

だって、しょっぴーはダテさんに会う為に的外れな口実を作ってお店に来たんでしょ？

そう言ってしまおうかと一瞬考えたけど、隣に並んだしょっぴーの満足そうな顔に、少し納得して言葉を飲み込んだ