ノスタルジア 3 (ページ32)

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俺の腕の中で静かに寝息をたてる康二くん

涙の跡をそっと指先で拭ってあげるけど、熟睡してしまったのかピクリとも動かない

可愛い寝顔をずっと見ていたかったけど、この体勢じゃ起きた時体がバッキバキになってそうだし

俺もたぶん、いや確実に理性を保てないと思うから

そのまま起こさないように、そっと膝の下に手を入れ抱え上げて寝室へと向かった

kj「ん‥‥」

ベッドに寝かせるのと小さく声が漏れてドキリとしたけど、当の本人は未だ夢の中

膝をついて康二くんと目線を合わせた

前髪を指でそっと分けてあげると一瞬眉間に皺が寄った

そんな瞬間でさえ愛しくて顔が綻んでしまう

mm「俺に何を伝えたいの？康二くん‥‥」

寝落ちする間際に言ったあの言葉の意味が気になって、寝てる康二くんに問いかけるも反応はない

熟睡してるんだから当然なんだけど

さっきから、あの言葉が俺に都合良く変換されて頭に残ってしまって

そうなったらもう、それにしか聞こえなくて

意識しちゃうと顔が緩んでしまうんだ

真相が知りたい

だけどきっと本人は覚えてないかもしれない

それならこのまま俺の胸の中にしまっておいたほうがいいのかな‥‥

『ほんで‥‥ちゃんと伝えんねん

‥‥‥好きだ、って‥‥』

ただの自惚れなんだけど、そう聞こえた気がしてならない

mm「起きたら、教えてくれる？康二くん」

本人が寝てるのをいい事に

俺はさっきかき分けた前髪からのぞくおでこにそっと触れるだけのキスを落とした

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