side:kj ページ31
めめに洗いざらい話してしまうと、堪えていたものが涙となって頬を伝った
mm「頑張ったんだね‥‥」
めめがそっと俺の後頭部に手を当てると、ゆっくりと引き寄せられた
めめの胸に寄せられて、鼻を掠めためめの匂いにどうしようも無く涙が溢れた
kj「俺は18になったばかりのガキんちょやった
だけど、子供なりに本気で好きやったんやけどなぁ」
mm「うん‥‥」
俺を隠すようにキツく抱きしめられて、初めて声を上げて泣いた
まだ1つ、めめには言えてない事がある
子供やからとか、大人やからとか
そんな枠組みで仕切られて諦めなあかんかったあの頃の俺の二の舞になって欲しくなくて
めめは俺の事守らせてって言ってくれたけど
俺もめめの事守りたいって思った
誰にも文句言わせんぐらいに
そうなれたら今度は俺から‥‥
kj「俺かて、守りたいもんがあんねん」
mm「そうなんだ」
kj「やから、今は仕事で1人前になりたいねん‥‥」
mm「だから寝る間も惜しんでカットの練習してんの？」
kj「おん‥‥」
めめの体温と優しい匂いと、頬に伝わるめめの鼓動が心地良くてひとつ欠伸が出た
mm「俺としてはあんまり無理はして欲しくないんだけどな」
kj「でも俺は‥‥1日でも早くなりたいねん
めめに‥‥胸張って言えるよう、に‥‥」
次第に瞼が重くなって
意識が虚ろいだして、もう自分が何を言ってるのかよくわからなくて
kj「ほんで‥‥ちゃんと伝えんねん
‥‥‥きだ、って‥‥」
mm「えっ？‥‥康二くん？
聞こえなかった。俺に何を伝えるって？」
遠のく意識の中で思い出していた
彼が最後に言った言葉
『不甲斐なくてごめんな、今までありがとう‥‥』
そう言われた時、何故だかめめの顔が浮かんで
無性に会いたいと思ってしまって
あぁ、好きなんやなぁって思った
だから尚更、めめの隣に相応しい人間になりたいってそう思った
mm「康二くん‥‥？」
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作者名：shiro | 作成日時：2022年4月29日 18時
