ノスタルジア 3 (ページ25)

今日:31 hit、昨日:95 hit、合計:212,034 hit

side:kj ページ25

俺と彼は、教師と生徒という枠を超えて恋人になった

もちろん学校には内緒。俺も友達には一切報告はせず、校内ではあくまで教師と生徒という関係を貫いた

それでも俺は幸せやった

俺のようなセクシャルマイノリティの部類に入る人間には、パートナーを見つける事さえ難しい

近年はそれでも認知されてきてるけど、なかなか口に出して言えるもんやない

そんな中で想いが通じ合って愛し合えるって事はホンマに奇跡みたいなもんなんや

だから、誰にも俺たちを認めてもらえんくても、2人でいられればそれで良い。2人で居れば最強やって‥‥

kj「ほんま、アホやったわ俺‥‥。自分は諦める恋愛しかしてこんかったから、初めて成就して舞い上がってて周りが見えんようになっとった」

mm「でも、この間再会したって事は、一度は別れたんだ‥‥」

kj「おん‥‥。最悪な別れ方やったけどな‥‥」

そう言って軽く笑い飛ばすけど、めめの表情は険しいまま

ほんまにわっかりやすい子やね

kj「ほんまつまらん話やで？」

念を押すようにもう一度聞いてみる

めめは表情を変える事なく頷いた

冬休みが間近に迫ったある日

放課後に突然担任から呼び出された

通されたのは職員室の奥にある応接室

生徒には1番縁遠い場所だと思ってた場所やったから、かなりヤバい状況やって瞬時に感じとった

応接室のドアをノックすれば『どうぞ』という教頭先生の声。それに応えるように担任が『失礼します』と言ってドアを開けた

心臓が痛い程に速く脈打つ

苦しくて、制服の胸のあたりを力いっぱい握りしめた

ドアが完全に開け放たれて目に飛び込んできたんは、知った背中。

彼は俯き、入って来た俺とは目を合わそうともせん

なんでって思った次の瞬間に最も最悪なケースが頭を過ぎった