ノスタルジア 3 (ページ24)

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答え合わせ ② ページ24

side:kj

高3の秋やった

その少し前からどこから仕入れて来るのか、クラスの情報通な女子から臨時で若い先生がうちのクラスに来るって噂してたから、いざ来るって担任の先生に聞かされた時は、違う意味で驚いたな

ほんで、朝のHRでうちのクラスにやって来た臨時の先生に更なる驚きを覚えた

空いた口が塞がらんってホンマその通りやったわ

数年振りに再会した、俺が大好きだった人は少し大人びた雰囲気を纏う格好良くて爽やかな先生として教壇に立っていた

「康二、久しぶりやな！元気やったか？背ぇ随分伸びたなぁ！」

彼は俺の事をちゃんと覚えててくれた

数年振りに頭を撫でられて、忘れかけてた感情が蘇ってくのを感じた

それからというもの、俺は事ある事に彼が普段から居た社会科準備室に顔を出すようになった

朝はいつもより早く登校した

朝練の生徒ぐらいしかおらん校内はわりと静かで、彼が居る準備室で他愛の無い話をするのが日課になっていた

昼も時々一緒にご飯を食べて、放課後も分からんとこあるからって勉強見て貰う事を口実に準備室にしょっちゅう会いに行ってた

『好き』という気持ちは膨らむ一方で、でも立場があるから伝えてはいけないもんやと思ってた

だから、一緒に過ごせる時間が大切で幸せやった

「康二はホンマ可愛えぇなぁ。」

その日もいつものように勉強を見て貰っていたら、突然そんな言葉が彼の口から出た

kj「なんやねん、急に‥‥」

彼は俺の頭を優しく撫でながらじっと見つめてくる

その瞳は何処か熱を帯びてて、その視線が俺に向けられてる事が凄く照れくさくなって思わず目を逸らした

「康二？」

彼の俺を呼ぶ声は麻薬のよう

甘くて優しくて、何処か色気があって

名前を呼ばれる度にドキドキして、もっと呼んで欲しくなる

俺はもう、彼を求めずにはいられんようになってた

「康二、顔見して？」

そう言われたら言う通りにしてしまう

俺はもう彼に完全にハマってた

頭から頬へ、彼の手が移動する

触れられると、全神経がそこに集まるみたいに敏感に反応した

「可愛いなぁ‥‥」

彼は優しく、俺にキスしてくれた