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ラウールの話を一頻り聞いた頃、気がつけばいつも走り込んでる知った景色に変わっていた
もう少し歩けば舘さんの店が見えてくる
ru「僕ね、あの店に通ってる間はたぶんずっとダテさんの事好きだと思う。でももうダテさんを困らす事はしないよ。
ダテさんはダテさんで、なんか‥‥ちょっと面倒臭い事考えててさぁ。詳しくは聞けなかったけど、大人になると簡単な事も難しくなっちゃうのかなぁって‥‥」
mm「はぁ？なんだそれ？簡単な事をなんでわざわざ難しくするんだよ。」
顔を顰めると、ラウールも困ったように少し笑った
ラウールは時々俺じゃ全く理解出来ない事を言う
なのに自分は理解出来てますって顔するからちょっと癇に障る
mm「大人ってめんどくせー」
ru「ははっ！めめは考える前に即行動だもんね！
でもそっちのほうがめめらしくて良いと思うよ」
ラウールにそう言われると少し複雑な心境になるけど、今の俺にはそんな言葉でも少し救われた気持ちになる
というのも、ここんとこずっと康二くんに会えてなくて、康二くん不足に拍車がかかっててイライラしてて
テスト期間中だった事もあって仕事セーブしたり、あんま外出歩けなかったってのもあったし
最後に会ったのは康二くんが実家帰省から戻ってきた翌日だったと思う
お土産貰って少し帰省中の話をしてくれただけで、その後はメールで連絡を取り合う事もほとんど無くて、いつも俺の一方通行
だからちょっと寂しくて、自分のやって来た事に意味はあったのかなぁとか、頑張ってアピってんのに何も進展してなくて自信無くしかけてた
一度ネガティブ思考に陥るとなかなか抜け出せなくて、余計な事まで考えちゃってさ‥‥
自分の康二くんへの想いや行動は間違ってたのかなって思いかけてたから、ラウールに言われて少しホッとした
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作者名：shiro | 作成日時：2022年4月29日 18時
