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dt「さ、帰ろう。目黒が心配してるかも知れない」
涼太の声にビクリと体が反応する
座り込んだまま、出来るだけ体を小さくして息を潜める
街灯の灯りも届いてない場所だから、目を凝らさなきゃ見つかる事はないはずだけど‥‥
それでも2人が俺の前を横切る時は気が気じゃなかった
木を背にしてしゃがんだまま息を殺して2人が過ぎ去るのを待っていると
ru「ダテさん‥‥。僕、まだダテさんの事好きでいて良い?まだ、その、すぐには気持ち切り替えられないから‥‥」
言葉をひとつひとつ選ぶように話すラウール
ラウールの気持ちがよく分かるから、俺は複雑な心境のまま2人の会話を静かに聞いていた
dt「そこは俺がとやかく言う事じゃないよ。ラウールのタイミングでいいんじゃない?」
涼太らしい返答だと思った
どこまでも優しい涼太だから、完全に拒否をすることは無いって分かってたけど、俺には少々きっつい台詞だ
(さっきから心の傷抉られっぱなしだな‥‥)
2人の足音が徐々に遠のいていく
俺はまだ、動けなかった
(参ったな‥‥)
小さな滑り台と、小さなブランコがあるだけの小さな公園に1人、俺はまだ佇んでいた
それにはまた別の問題が発生してしまって、戻るに戻れなくなってしまったというのが今の現状
(店に戻るタイミングを完全に失ったなぁ)
木の木陰から公園のブランコに場所を移して、何年ぶりかにブランコに腰掛けて途方に暮れた
というのも俺、スマホ以外の荷物を全部涼太の店に置いてきてしまってて
あの2人の話を聞いた後に何食わぬ顔で店に戻れる程の強靭なメンタルは持ち合わせてねぇんだよ
まあ、そんな事するより先にまだ店に残ってるであろうめめから俺が2人を探しに出ていったって聞かされるんだろうけど
そうなったら益々戻り辛いし
でもどちらにしたってバッグの中には財布が入ってて、色々一式入れてあるし、無いと結構不便だったりする
(仕方ねぇ!パッと取ってパパっと帰ろう!)
そう意を決して立ち上がった
その瞬間だった
fk「うわぁぁぁっ!!」
公園の出入口付近から何とも情けない声がして振り返った
nb「ふっか‥‥?」
fk「えっ?なんだよ足あんじゃん!」
nb「はぁ?」
驚きすぎて腰が抜けたのか、公園の看板に手をついて泣きそうな声で逆ギレされた
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作者名:shiro | 作成日時:2022年4月29日 18時