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kj「心配せんでも、これでも俺けっこう元気よ？」
なんて弱々しい笑顔じゃ信用なんて出来ないんだよ
mm「帰ろ、送るから‥‥」
手首を掴んで引きずってでも帰らそうと引っ張れば、勢いよく振り払われてしまった
kj「大丈夫やって！それに、俺今から本店行かなあかんし
河合さんから応援要請あったし‥‥」
mm「ふざけんな、今この状態でまともに仕事出来るとは思えない」
kj「めめに俺の何が分かんねん‥‥」
mm「わかんないよ！今の康二くんは何考えてるか分かんねーよ！
でも‥‥今の康二くんしんどそうで放っておけないよ」
もう一度、今度は優しく触れるようにそっと手を握った
また振り払われてしまうかと思ったけど、素直に手を握らせてくれた康二くんは何か言いたそうに下唇を噛んでいた
mm「帰ろ？」
小さな子に言い聞かせるように優しく尋ねてみる
下を向いたまま、目を合わそうともしない康二くんだけど
繋がれた指先が少し絡まって一瞬見落としてしまいそうな程小さく頷いてくれた
kj「ここ‥‥」
スタイリッシュなライトグレーの外観で4階建ての割と大きめなマンション
実は康二くんが住んでるマンションに来たのは初めて
行きたい、遊びに行かせてって事あるごとにそんな事言ってたけど、実際に来てしまうと何故か緊張した
kj「心配さして悪かったな。送ってくれてありがとう」
mm「あ、うん。ちゃんとご飯食べて寝なよ？」
kj「おん‥‥」
ここでまた会話が途切れた
この雰囲気、やっぱ帰らないといけない感じ？
康二くんの体調も心配だし、念願だった康二くんちのマンション前までやって来たのに
名残惜しくて『じゃあ、またね』って言葉が出ない
『部屋の前まで送る』とか言ってみようか‥‥
逆に警戒させてしまうかも
弱った康二くんをどうこうしようなんて疚しい気持ちは‥‥
『無い』とは言い切れないけど
でもただ、純粋に康二くんが心配なのは本当の事で
『少しで良いから傍に居たい』って言ったら
康二くんはなんて応えてくれるのかな‥‥
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作者名：shiro | 作成日時：2022年4月29日 18時
