ノスタルジア 2 (ページ7)

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高校時代から時々かましてくる涼太のド天然発言を、まさかこんな形で再び聞けるとは思わなかった

本人はそれがおかしいとは全く感じてないから

お陰で俺はいつも涼太の横で笑わせてもらってたな…

nb「うわぁ～バカバカ！んなもんわざわざ届けに来なくていいって！終電無くなるぞ！」

dt「え～、でもさぁ…」

nb「俺が休みの日に店行くから！」

dt「大丈夫なの？」

nb「おま、俺をなんだと思ってんだよ。ネクタイの予備なんていくつも持ってるし」

dt「へぇ～、沢山持ってんだな。俺、冠婚葬祭用しか持ってないよ？」

nb「いや、普段からスーツ着てないんだから当たり前だろ？」

そう突っ込んでやると『あぁ！』って…

本当に理解出来たんだろうか

少し心配にもなるけど、涼太のこのふわふわした感じが可愛くて
たぶん自分の顔は緩みまくってるんだろうな…

nb「じゃあ、日曜日に店行くよ。ついでにランチ食べに」

dt「うん、分かった。準備しとく」

最後に『お休み』と言って通話を終了した

そしてかけてきた番号を『涼太の店』で新規登録した

まだ自分の耳に残る涼太の声が、何だかこそばゆい

ただ涼太の店に忘れ物を取りに行くだけ

ついでにランチをして、ちょっと涼太と話が出来たら良いけど

特別何がある訳でもないだろう

そんなの自分が1番分かってんだよ

だけどさ、涼太にまた会える口実が出来たことが嬉しくて

恥ずかしい程にニヤケが止まんないぐらいには、舞い上がっちゃってんだよ…

(日曜日か…)

今日は水曜日だから、あと4日

こんなにも日曜日が待ち遠しいなんて思った事久しぶりだった

(早く会いたいな…)

涼太の店を出てからまだ1時間ほどしか経ってないのに、もうそんな事を考えてしまう

今日は色々あった1日だった

嬉しい事楽しいこと、

ハラハラもしたけど、今日1日の締めくくりに涼太の声が聞けて、しかも次の約束まで取り付けた

今夜はいい夢が見れそうだなって勝手に自己満足してベッドに潜り込む

ラベンダーとカモミールの配合された入浴剤をいれたから、布団に包まると、優しい香りが鼻を掠めた

そしてウトウトとしているうちに、いつの間にかスマホを握りしめながら、意識は遠くへと落ちていった…