ノスタルジア 2 (ページ6)

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冷蔵庫を開けた

相変わらず何もない冷蔵庫の中から飲みかけのミネラルウォーターのペットボトルを手に取った

500㎖サイズに半分ほど残っていた中身を一気に飲み干す

nb「っはぁ～…修羅場だったな…」

ソファに腰を下ろし一息つくも、思い出されるのはさっきまで一緒だった康二とめめと呼ばれるモデルの高校生

なにやら根深いものが2人の間にはあるようで

気にはなるけど俺なんかが踏み入れてはいけないような気がして何も聞かずに帰ってきてしまったけど

やっぱ気になって仕方がない

(風呂入ろ…)

2人の事考えたって埒あかないから風呂に入る事にした俺

ワイシャツの襟元に手をかけて違和感に気づいた

nb「ネクタイが無い」

ジャケットのポケットやカバンを漁るけど見つからない

nb「涼太の店かな…」

宛があるとすれば、もうそこしか思いつく場所が無かった

ピルルッ…

テーブルに伏せた状態で置いていた俺のスマホが着信音を鳴らした

画面を見れば知らない番号

市外局番がこの近辺からだった事から出てみることにした

nb「も、もしもし…」

恐る恐る声をかけてみる

「あの、渡辺翔太さんの携帯番号で間違いないでしょうか？」

聞き覚えのある柔らかい口調の声に浮かんだ人物の名前を呼んでみた

nb「涼太？」

dt「あ、良かった。うん、宮舘涼太です」

nb「ど、どうしたんだよ急に電話なんて…」

耳元で聞こえてくる涼太の声にドキドキしながらも、平静を装い話を続けた

dt「突然ごめんね？今店からかけてるんだ。
俺、今スマホ手元になくて…
ごめんね？知らない番号でびっくりしたよね？」

nb「あ…いや、大丈夫…」

涼太は自然な流れで話を続けるんだけど、俺の中に妙な引っかかりが生まれた

dt「うん、でさ？翔太ネクタイ忘れてない？」

小さな引っかかりが気になりつつも、俺は涼太との話を繋げる

nb「あ、そう。今さっきネクタイ無いって気づいて…」

dt「ははっ、やっぱコレ翔太のだったかぁ」

スマホ越しに聞こえる涼太の声は相変わらず優しくて、いつまでも聞いていたくなる

dt「じゃあ、俺近くまで届けに行くよ」

nb「はっ！？今からか！？」

dt「うん、ネクタイって毎日使うものだろ？無いと翔太困るかなって…」

おいおい、そういうとこ昔と何も変わってねぇな