ノスタルジア 2 (ページ46)

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ru「もぉー、ダテさんの頑固者！」

やっといつもの調子が戻ってきたラウールに久しぶりに辛辣な言葉を投げかけられて、思わず吹き出した

dt「ごめんごめん。でも心配しないで、俺は本当に平気だから」

そう言って、ラウールの背中をポンと叩いてみた

ゆっくり立ち上がると、未だ納得いかない表情のラウールも後に続いて立ち上がった

dt「さ、帰ろう。目黒が心配してるかも知れない」

ru「ダテさん‥‥。僕、まだダテさんの事好きでいて良い？まだ、その、すぐには気持ち切り替えられないから‥‥」

dt「そこは俺がとやかく言う事じゃないよ。ラウールのタイミングでいいんじゃない？」

ru「ありがと‥‥」

dt「お礼を言われるのは、何か違くない？」

ru「そっか」

2人で顔を見合わせ笑った

ごめんね、ラウール

こんな情けない大人だって知ったら、きっとすぐに気持ちなんて冷めてしまうよ

ru「ダテさん、今日食べたプリンの完成版、出来たらまた食べさせてくださいね！」

dt「ラウール、あれはプリンじゃなくてパンナコッタっていうの！材料だって作り方だって全然違うんだよ？」

ru「えー！？そうなの！？全然分かんなかった」

本気で驚くラウールに声を出して笑ってしまった

夜風が少しだけ冷たさを含んでいて、だけどどこか青々とした草木の香りがして、もうすぐ夏がやって来るんだと感じた

dt「急いで戻ろう！」

俺はたぶん、この先もずっと気持ちを伝える事は無いと思う

それは翔太の為だと自分に言い聞かせてたけど

本当は他でもない、自分自身の為なんだ‥‥