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nb「今日電話くれた時、涼太がラウールの名前呼んでたから…
なんかあった？」
dt「ちょっとからかわれただけ。それなのに俺が大人気なく声を荒らげちゃって…
それだけ…」
苦笑いで返された返答に今ひとつ納得しきれなくて
それでも黙って頷くと、少しホッとした表情を見せ、俺の前にお冷のグラスを置くとトレイを片手にホールへと出ていった
涼太は空いたテーブル席の食器を片付け始めるも、その隣のテーブル席の女性に声を掛けられて
少し会話のようなものをしたかと思うと女性に頭を下げた涼太
女性は小さく手を振った
会話こそ上手く聞き取れなかったけど、その光景まるで涼太が逆ナンされてるかのようで
イラッとした…
まぁ、俺がムカつく権利なんて無いんだけどさ
涼太って昔からそうなんだよ
無自覚に人に優しくて、気配りも出来て
その行動ひとつひとつがスマートで自然にやってしまう
高校生の頃はそんな紳士な態度が浮いてるように見えたけど、後輩からは人気あったし
今は年齢重ねた分紳士な雰囲気により磨きがかかったようにも見えるから
この店の大半が女性客で占めてるのは、料理が美味いだけじゃない気はする…
(そんな気はしてたけど、実際見ちゃうとキツイな…)
涼太はせっせとテーブルの上を片付けてるけど、さっき声をかけた女性はすっかり肩を落として落ち込んでる
連れの女性が慰めてるのか落ち込んでしまった女性の肩を優しく撫でてあげていた
そんな光景を見て思わず口から出た言葉は
nb「罪作りな奴だな…」
ふっかや佐久間が昔、冗談半分で言っていた軽いものじゃなくて、涼太に関してはマジなやつだ
そんでタチの悪いやつ…
こういう光景見ちゃうと自信無くすんだよな…
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作者名：shiro | 作成日時：2022年1月9日 1時
