ノスタルジア 2 (ページ27)

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俺の番号は暗記済みのクセしてわざわざ店の電話使うとか、そんなまどろっこしい事をする理由は分からないけど

それでも俺は嬉しかったし、なんならそれから毎日涼太から連絡がまた来ないかなって期待したりしてた

だから、この意味が伝わったら少しは変わるのかなって

相手の事を考えて留まるのか

何かが変わると信じて行動するのか

どちらも正解で、どちらも不正解

ならもう自分の信じた方に進むしかない訳で

dt「番号、俺も変わってない」

nb「えっ？それって…」

涼太のその言葉の裏に隠されている真意はなんなのか

分からないから、勝手に解釈しちゃうけど…

もう自惚れでもなんでもいい

俺は俺が思うままに行ってやる

dt「あっ！ごめん、引き止めちゃって…
俺もご飯途中だし、戻るね？」

nb「あぁ。じゃあ、またな？
これ、ありがとな」

dt「いいよ、気にしないで
うん、また…。また、連絡する…」

その言葉で一気に気持ちが高ぶった

嬉しすぎて頭がそれだけで一杯になって言葉が出なくて

でも何か言葉を返さなきゃって自身を煽ってみる

nb「お、俺も！俺も連絡する！」

俺が、消す訳ねーじゃん

2度と、この番号で電話はこないと思ってたけど

消せる勇気がなかった

会えなくても、会うことは無いと思ってたけど、それでもどこかで涼太と繋がっていたくて、とっくに番号を変えてしまってるかもしれないのに、性懲りも無くずっと消さずに残していたんだ

dt「うん、分かった」

涼太が嬉しそうに微笑むから、また期待してしまう

ほんの少しの沈黙の後、涼太が右手をそっとあげて『じゃあね』とまた呟いた

嬉しそうな表情はそのままに、立ち去ろうとする涼太に向けて俺も小さく手を振った

涼太が店の中へはいるのを見届けて、俺も歩き出す

自惚れかもしれない、自意識過剰かもしれない

でも涼太のあの言動や行動に理由をつけるなら、僅かでも望みはあるんじゃないかと思ってしまう

だから…

俺は回りくどいことも駆け引きも苦手だから、こういう状況を面倒くさいと感じてしまう

でも今回ばかりは、手放しちゃ駄目なんだ

諦めていたチャンスが巡ってきたかもしれないこの時を逃して溜まるか

今度は俺からいくんだ…

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