ノスタルジア 2 (ページ25)

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ずっと食べたかったオムライスも食べた

忘れていったネクタイも受け取った

だけどやっぱり名残惜しい

自分で言い出しといて、涼太の顔見たら決心が鈍ってしまった

何か、次に繋げる上手い口実は無いかと頭をフル稼働させてみるけど

よく考えたら俺ってこんな回りくどい駆け引きみたいな事苦手だったと今更思い出した

今までの付き合いなんて来る者拒まず、去る者追わずな適当な付き合いばかりで、まともな恋愛なんてしてきた記憶がなかった

たぶん、今も昔も涼太だけだ…

ru「ダテさーん！ご飯冷めちゃうよー！」

mm「ばっ！黙ってろって！」

ホールの方からなかなか戻らない涼太を心配してラウールが涼太を呼ぶが、すぐさまめめがそれを遮る声がした

dt「あっ、うん。今行くよ」

ラウールに向けてそう言うと『じゃあ…』と言いかけ慌てて口を開いた

nb「また来る！オムライス以外のメニュー、まだ食ってないし…」

結局思いついた言葉はこれだった

涼太の『じゃあ…』に続く言葉を聞いてしまったら、全部終わってしまいそうな気がして

それならせめて客として会いに来れる口実を作りたくて、気がつけば口が勝手にそう言っていた

dt「え、あ…うん、お待ちしてます」

涼太が一瞬驚いたけど、すぐに笑顔に変わってくれた

nb「じゃあ、またな」

店の扉を開けながら再度振り返って涼太の姿を確認する
小さく手を振り返してくれる涼太に俺もひょいと1度だけ手を振った