ノスタルジア 2 (ページ24)

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nb「俺、そろそろ帰ろうかな…
涼太、お会計いい？」

この雰囲気の中に俺が居ちゃいけないような居づらいような
そんな気になって席を立った

dt「あ、でも試作だからお金は…」

nb「しっかり１食分取ってくれよ。」

dt「じゃあ、オムライスと同じ値段で…」

いそいそと立ち上がり、そのままレジカウンターへ向かう涼太

その後ろをついてレジカウンターを挟んで向かい合った

pad操作をする涼太の顔をぼんやりと眺めていると、さっきのラウールの言葉と涼太の顔が浮かんだ

涼太の気持ちが知りたい

俺の携帯番号を今でも覚えていてくれて

その時に見せた耳を真っ赤にしていた涼太と

少し悲しそうな伏し目がちな横顔と

その全部を分かった訳じゃないけど

何を思ってるんだろう…

昔の俺たちは、そんなに言葉を交わさなくても、お互いが何を思っているのか不思議と分かってしまっていた

でも今はもう、何も分からない

分からなくて不安で堪らないのに

涼太が俺に笑ってくれるたびに期待してしまうんだ…

dt「…た？ーーー翔太…？」

nb「えっ！？あ、ごめん。ぼーっとしてた」

dt「はい、220円のおつり」

ステンレス製の楕円形のトレイにレシートと小銭を添えて俺の前にそっと差し出された

目の前の小銭を指先でかき集めて財布に戻した

dt「あっ！そうだ、翔太ちょっと待ってて」

財布をポケットに突っ込んでると、何かを思い出して奥へと消えていった涼太

dt「ごめん！肝心な物渡してなかった」

5分と経たずに戻ってきた涼太の手には紺色の小さな紙袋

その紙袋を渡され中を覗くと、前にプチ同窓会をした時忘れていったネクタイが綺麗に巻いた状態で入っていた

dt「一応うちで洗ったんだけど、気になるようならクリーニングに出したほうが良いよ…」

nb「わりぃ、洗ってくれたんだ…」

dt「別に、大したことしてないよ」

涼太はそう言うけど、こういう小さな気配りが嬉しくて

涼太らしいなって思った