ノスタルジア 2 (ページ2)

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まだ何が言いたそうな表情のめめだったけど

俺はそっと視線を外した

kj「気ぃつけて帰れよ…」

何も返って来ない返事を都合よく捉えて俺は歩き出した

nb「おい、康二！」

しょっぴーが呼び止めるけど、今度は足を止めることをしなかった

(これでええねん…)

何度も心に繰り返し言い聞かせる

今振り返ったら決心も鈍りそうで、真っ直ぐ前だけ見据えた

めめとこんなやり取りが続いているのは

めめが俺に告白してきた事がきっかけで、それまでは本当に後輩とか弟とかの類と変わらない気持ちで接していた

ただ、ちょっと手を掛けすぎてしまったかも知らんけど、見返りとか下心があった訳や無い

ただ純粋に、変わっていくめめを傍で見ていたくて、そんで少しずつ自信を付けてくめめの姿が嬉しかった

mm「何も取り柄なんて無いと思ってた俺に康二くんが言ってくれた言葉がめちゃめちゃ刺さったんだ。
康二くんのお陰で俺、変わる勇気持てたよ」

初めて雑誌に載ったと聞かされた日、俺は自分のことのように喜んだ

めめは俺のお陰やって、俺が言った言葉があったから変われたと言ってくれた

kj「そんなんただのきっかけに過ぎんて。ここまでなれたんはめめの努力の賜物や！」

謙遜なんかじゃなく、本当にそう思ってた

たしかに、入口は俺が声をかけたとこから始まっとるんかもしらん…

でも、そっからどう動くかはめめ次第やったはずや

運を味方に付け、さらに努力を重ねて勝ち取ったんは、めめの努力やと俺は思う

mm「今はまだ、こんな小さな掲載枠だけど、いつか表紙も飾れるぐらい有名になるから…
そしたら、俺の事ちゃんと見て…」

いつもと様子が違う事は、めめの表情ですぐに気づいた

いつも優しい視線を向けてくる目が、今日は意志を持った強い視線で真っ直ぐ俺を見つめてくる

それが何を意味するんか、俺は気づいた

モデルの仕事を始めた頃から薄々思っとったけど、俺は気づいとらんフリを続けてた

kj「は？めめ何ゆうとんねん。俺はいつもちゃぁんと見とるでぇ！」

だから今日もワザと軽く受け流してみる

mm「違う。康二くんは俺の事、弟とか後輩としか見てないでしょ？」

kj「う、うん？えっ？違うのん？俺めっちゃめめの事可愛い後輩と思ってたけど、嫌やったか？」

だけどその日ばかりは上手いこと逸らせんくて、案の定めめは俺が1番聞きたくなかった言葉を言った