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fk「じゃあまた後でなー！」
いつもの帰り道、いつもの交差点で俺と涼太、ふっかと照で二手になって別れる
阿部と佐久間はその手前ですでに別れた
ふっかは後輩の女子から貰った花束を手に大きく手を振っている
nb「なんかあいつムカつくな…」
花束を飾る大きめの紫色したリボンを靡かせ、照と笑い合うふっかの姿を眺めポツリと呟いた
dt「ははっ。そんな事言って、何だかんだ言ってもふっかの事認めてるくせに」
涼太がこちらを向いて笑う手にも、赤系の花で纏められた花束が風に靡いている
nb「おまえに言われてもな…」
そう言ってやると、涼太に俺の真意が伝わったのかまた笑った
涼太の笑顔を見つめながら、こうやって2人で帰るのも今日で最後かと思うと寂しさが込み上げる
やっと再会できたのにな…
また離れてしまうんだ…
nb「引っ越しの日、俺会いに行くよ」
dt「うん…」
会えなくなるわけじゃないのに、離れてしまうその瞬間まで、涼太を目に焼き付けていたいと思ってしまう
それほど俺は、涼太に恋焦がれていた
絶対に伝えられない想いだけど
それでも良いと思っていた
涼太が離れて行かないでくれるなら
この想いは一生心に留めておくつもりだ
でも数日後、涼太はこの土地を離れる
いっそその前にこの想いを伝えてしまおうか…
dt「そうだ、前に翔太に借りてた本まだ返して無かったな」
nb「あぁ、じゃあ引っ越しの日に受け取るよ」
dt「わかった、用意しとく」
少しだけ、いつもより口数少なく歩いていると、ほぼ毎日のように涼太と歩いた桜並木の前まで来ていた
桜はまだ完全には咲いてなくて、見頃になるにはまだ少し時間がかかりそうだった
この桜が満開になる頃には、涼太は向こうの土地で新生活を始めてるんだ
そう思うと胸が苦しくなる
dt「まだまだ見頃とは言えないね」
一緒になって桜の木を見上げていると、涼太がポツリとそんな事を言った
一緒に見たかったって言ったら、涼太はなんて返してくれんのかな…
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作者名：shiro | 作成日時：2021年9月16日 22時
