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ゆっくりと声のした方へ振り返ってみた
nb「うわっ…」
思わず声が出てしまうぐらい俺の中に衝撃が走った
そこに立っていた人物は、照と同じぐらい若しくはそれ以上はあるであろう長身で
なにも弄って無さそうな自然な黒髪にキリッと真っ直ぐ一直線に描かれた男らしい眉毛に少しタレ目な大きな瞳は優しそうな印象を受けた
彼は身長だけでなく、手足も長い
単なるスポーツブランドの上下セットアップのジャージなのに、めちゃめちゃスタイリッシュに着こなしてる
素材が良ければどんな服だってお洒落に見えてしまうものなんだな…
自分が今着てる初ボーナスで奮発して買ったセミオーダーのこのスーツが少し惨めに思えてしまう
それぐらい目の前に立つ彼は魅力的で『美』という言葉が相応しいと思わざるを得ない程のオーラを放っていた
「…康二くん、その人は？」
目の前に立つ、このイケメン男子が真っ直ぐにのびた凛々しい眉を少し下げて伺うように俺を見た
すると途端に幼さが出てドキリとしてしまう
(えっ！？俺の事言ってる？！)
康二に腕を掴まれたままの状態では多少なりとも勘違いしてしまうのだろうか
nb「あっ！いや俺は、そのっ…」
kj「めめには関係あらへん。行こ、しょっぴー」
彼の勘違いを訂正しようと口を開くも、途中で康二が遮るように言葉を被せた
(ってか『めめ』！？)
康二が『めめ』と呼ぶ彼のほうを向かないまま、俺は康二に引っ張られるまま店を出た
(めめって、涼太の店でふっかが言ってた、あの『めめ』か！？)
数時間前に聞いていたふっかと康二と、そしてラウールの会話を思い出した
ふっかはめめの事を可愛いストーカーと言っていた
ラウールはめめが康二に会いたがっていると言っていた
俺はてっきりめめは女の子だと勝手に思い込んだまま話を聞いていたから
まさか、こんな大柄な男子だとは思ってなくて
しかもめちゃくちゃイケメンでスタイルも抜群に良いときた
たしかめめはモデルをやってるとか何とか…
この顔とスタイルなら頷ける
ただ、ちょっと康二とめめを取り巻く空気というか雰囲気がおかしい
まぁ、一方的に康二がめめを避けようとしてるだけみたいなんだけど…
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作者名：shiro | 作成日時：2021年9月16日 22時
