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帰り際に涼太から皆に渡された小さな白い箱は、今日最後に皆に出す予定だったデザートのチョコレートタルトが入っている
チョコレート好きの照は阿部と佐久間の分も箱に入れてもらい、計3個のチョコレートタルトにご満悦の様子
fk「じゃあ舘さん、今日はありがとな！
また飯食いに来るから！」
dt「うん、こちらこそ楽しかったよ。ありがとう」
一足先にふっかと照はラウールを連れて照の車で帰って行った
照は見た目に反してゴリゴリの甘党でお酒は弱い
ビールや焼酎や日本酒なんて舐める程度で悪酔いするって初めて聞いた
飲むとしたら甘めのカクテルなんだって
趣向が女子過ぎて笑ったら、すげぇ拗ねられたけど
そんな照だから酔っ払い共のタクシー代わりなってやる気で敢えて車で来たんだって
まぁ、大方ふっかの為なんじゃないかって思ったけど、野暮な事だから黙っておいた
照たちが帰って行って少し経って、俺と康二も帰ることにした
Kj「じゃあ、舘さん俺らもそろそろ帰りますね！
またコーヒー飲みに来ますんで」
店の出入口付近にいた俺と康二は、厨房にいるであろう涼太に声をかけた
ふっかたちが帰ってからもパタパタと1人忙しなく動いていた涼太
『手伝おうか？』と康二が声をかけるもすぐ終わるからって涼太は言ってくれた
相変わらず、人への気配りや遠慮深いとこ、変わってないな
dt「あっ！待って待って！翔太ジャケット忘れるよ」
厨房のほうから涼太の声がして足が止まった
そういえば、洗い物する時邪魔だからって脱いだんだ
nb「わ、悪ぃ…」
俺のジャケットを手にやって来た涼太からジャケットを受け取る
少しだけ手が触れてドキッとした
ジャケットに袖を通すと、僅かに残っていた涼太の体温が伝わって、また心臓が大きく揺れた
はあ、参ったな…
こんな些細なことでいちいち意識してしまうなんて…
あの頃の気持ちがまだ残ってるなんて表現では片付けられない
『いらっしゃい翔太。久し振りだね！』
あの瞬間に俺は、もう一度涼太の事を…
まさか、同じ相手に二度恋をするなんてな…
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作者名：shiro | 作成日時：2021年9月16日 22時
