ノスタルジア (ページ5)

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dt「ごめん…なかなか言い出せなかった」

sk「そんな、じゃあ阿部ちゃんたちの合格発表を待たずに行っちゃうって事？」

泣きそうな佐久間の問いかけに、涼太は小さく頷いた

涼太の悲しそうな表情で嘘をついてるなんて到底思えない

俺もついに受け入れざるを得なくなってしまった…

fk「じゃあ、今日は舘さんのお別れ会も兼ねてだな！時間厳守！！
佐久間、今日くらい遅刻すんなよ！」

無理やりテンションあげようとするふっかが痛々しい

sk「わかってるよ！」

iw「あれ？佐久間ちょっと泣いてる？」

sk「ゆ、ゆうな！！今めっちゃ我慢してるのにっ！！」

照の冷やかしで、涙の膜を作っていた佐久間の目からとうとう大粒の涙がひとつ零れた

sk「うぅっ…。阿部ちゃーん…」

我慢の限界がきてしまった佐久間は隣の阿部に抱きついて泣き顔を隠した

ab「もうっ照！佐久間をあんまりからかうなよぉ」

阿部は抱きつく佐久間の頭を撫でながら照に注意した

『うわっ！お前ら最後の日まで男同士でイチャついてて恥ずかしくねぇの？』

『つか付き合ってんじゃね？もうやってたりして！？』

俺らの輪の後ろのほうからそんな声がした

たまに居るんだよ、こういう冷やかす奴ら

ふっかや涼太、阿部なんかは外見や人柄で人気がある
それを妬む奴らがこうやって笑えない冗談をわざと吹っかけてくるんだ

特に阿部と佐久間は恰好のネタにされた

nb「気にすんな」

そう阿部に言うと、俺は阿部と佐久間をからかった男子に近づきキッと睨んだ

するとバツの悪そうな顔してさっさとその場を逃げるように立ち去った

あいつら、最後の日までって言ってたけど、あいつらだって最後までつまらねえ事してんじゃねぇか

sk「ごめん翔太…。阿部ちゃんも…」

阿部から離れ、落ち込む佐久間

ab「気にしてないよ」

阿部はポンと佐久間の頭を撫でた

俺たちは3年間同じクラスでいつも一緒だったから距離が多少近すぎても全然気にも留めてなかったけど

傍から見たらそういう風に見えてしまうのだろうか…

もしそうだったのなら、俺なんてホントに笑えないとこまできちゃってるな…