ノスタルジア (ページ34)

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dt「まあ、ふっかと再会出来たのも何かの縁だし
いいよ、引き受けました。
あ、でも佐久間が来るってなったら他のお客様に迷惑かかるから貸切にするよ？」

するとふっかは笑って親指を立てた

その後、簡単に打ち合わせをして、俺は佐久間と阿部に連絡を取り、ふっかは照と翔太に連絡をする事になった

fk「舘さん、卒業式の日みんなでカラオケ行こうって約束したのに翔太の奴バックレたじゃん。覚えてる？」

dt「あぁ、うん…」

あの日のことはよく覚えている

翔太はたぶん、俺に会いたくなくて店に来なかった

凄く後悔した

言わないまま引っ越してしまえば良かったと何度も自分を責めたよ

あの後、みんなに謝ったけど蟠りが取れたわけでもなくて

ずっとモヤモヤを抱えたまま、俺はいつの間にかふっかや照と連絡を取る事さえしなくなった

そして音信不通になってすぐ、フランスへと渡ってしまった

fk「俺さ、翔太と再会した時聞いたんだよね
何であの日来なかったんだって。そしたらあいつ困った顔して黙っちゃったから、未だに何か引きずってんだって思ったんだよ

だけどさ、俺翔太に会えてすげー嬉しかったから、またみんなで集まりたいんだよね！
多分、翔太も同じ気持ちだと思う。
もう10年経ったから、時効じゃね？
それよりも、またみんなで楽しくやりたいなって！」

ふっかの思いに胸が熱くなる

彼はどこまでも優しい奴だなって改めて思った

dt「俺も、そう思うよ」

fk「でしょ？だからさぁ、翔太には俺とご飯に行くって話して、実は約束の店にはみんなが集まってるっていう

どう？翔太へのドッキリ！あいつ10年前にバックれて既読スルーしやがったんだから、これぐらいのドッキリ仕掛けたってバチ当たんねぇよな！

いやー当日が楽しみだなぁ～！翔太の驚いた顔すげぇおもしれぇからなぁ！！」

すっかり空になったカレー皿をテーブルに置くと、頭の後で手を組みながら少し仰け反り楽しそうにそう言ったふっか

dt「はははっ…」

そうだった

深澤辰哉という男はタダでは起きない男

何の変哲もないただのプチ同窓会で済ます訳がなかった