ノスタルジア (ページ33)

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妹が結婚を期にうちの店を辞めて引っ越して行くのと入れ替わるように

康二の知り合いだと紹介された高校生のラウールを新たにバイトスタッフとして雇う事になって数日たったある日

ふっかからある提案を持ちかけられた

fk「プチ同窓会したい！！」

最近のふっかと康二はランチタイムのクローズ間際にやって来ては俺と同じまかない料理で昼食をとるようになった

康二に至っては、たまに仕事が休みの夕方1人でひょっこり現れてはコーヒーを飲んでまったりしてる事がある

まぁ、何にせよ2人にとってここが憩いの場所になってるようで嬉しい

そんないつもの昼過ぎに、いつものようにまかない飯を食べながら突然そんな事を言い出した

fk「てか何このカレー激うまなんだけど！」

dt「そんな褒められたもんじゃないっていつも言ってるじゃん。ただのまかない飯だから全部残った材料使ってるだけだし…」

今日のメニューは中途半端に残ったミートソースと、これまた残ったタンドリーチキンのつけダレにカレー粉を足して、ウスターソースや味噌を加えてマイルドに仕上げた一品

トッピングには目玉焼き

そんな差も無いカレーライスを美味い美味いと掻っ込む2人の姿は見てて気持ちいい

dt「で、プチって事は少人数の会にするつもりなんだよね？で、もしかしなくとも、会場は俺の店で
メンバーは…ふっか、俺、照に佐久間、阿部……翔太…」

ふっかはカレーライスを頬張ってパンパンに膨れた頬のまま、大きく目を見開いた

そして顎を上下させて口の中のものを一気に飲み込むと

fk「何で分かった…」

dt「まぁ、それなりに長い付き合いがあったからね」

とは言ったけど、そんなのは建前で

ふっかの考えてる事ってわかり易いんだよ

特に照はふっかとの付き合いが1番長かったからか、手に取るようにふっかの考えを当ててたっけ
そんな高校時代の2人の呼び名は『熟年夫婦』

阿吽の呼吸のようなものが2人の間にはあって

幼なじみってわけじゃないのに、その関係性は長年連れ添った夫婦のようなものだった

それを言うとふっかは嫌がってたけど、何だかんだ照の隣はふっかだった

俺はそんな2人をこっそり羨ましく思っていた