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自分で店を出すなら、やっぱ日本がいいと思った
原点に帰るという意味もあって、それだけは絶対に揺るがなかった
帰国して、すぐに佐久間と連絡をとった
帰国した理由を話し、佐久間の親父さんが経営してる不動産会社に口利きをしてもらった
こっちの条件が結構厳しくて、なかなか条件にあった物件は見つからなくて、エリア範囲を広めた結果
今の店舗を居抜きの状態で購入することが出来た
といっても思いっきりローンを抱えてるけど
20代半ばで4桁の借入と背負ったローン
理想と現実の差がエグイなって、金融関連で世話になった阿部を含めて佐久間と3人、誓約書を前に苦笑いをしたっけ…
そんな感情を差し引いたって、これから叶えようとする夢に向かって動いていく現実にワクワクは止まらなかった
貯金は頭金やリフォーム代に全てをつぎ込んだから
店舗オープンは本当の意味でゼロからのスタートになった
店はオープン当初から有り難いことに評判が評判を呼ぶ形で日に日に客足が増えてくれて
土日は特に1人では回せない程の反響ぶりで、帰国してもあまり帰る事なかった実家に頼み込んで土日祝日のみ、母親と妹が交代で手伝いに来てくれるようになった
そんな日々が1年程続いた
桜が散り出して、そろそろ初夏のメニューを考えないとなって考えていた頃
平日のランチタイムのピークを過ぎて、やっと穏やかな時間が流れる
食事を済ませて談笑している2組のお客さんがいるだけで、今日のランチタイムも終わりかなと思っていた
だけど、オーダーストップの15分前に2人組の男性客が来店してきた
その2人組のお客さんを見るなり、俺は柄にもない変な声が思わず口から飛び出していた
dt「へっ！？ふっ…えぇっ！？」
fk「へっ！？だっ…えぇっ！？」
反応が完全にシンクロして、それを見た連れのもう1人の男性が大爆笑した
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作者名：shiro | 作成日時：2021年9月16日 22時
