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dt「そっか…これが皆んなで集まれる最後の日かもしれないのか…」
涼太がポツリと呟いた
その顔は過去を懐かしむような
でも、少し寂しそうな表情だった
俺たちイツメン6人の卒業後の進路はほぼ決まっている
俺と阿部と照は大学受験
涼太と佐久間、ふっかは専門学校への進学が決まっていた
fk「大学の合格発表来週だろ？
そしたら合格祝いでまたみんな集まろうよ！」
ab「ふっか…
まだ3人が合格するなんて決まってないだろ」
sk「俺、阿部ちゃんは絶対合格してると思う！
」
ab「佐久間、そういうフォローとかいらないから…」
sk「えー俺本気で思ってんだけどぉ」
iw「まぁ、とにかくまた集まれる機会なんてすぐに出来るって」
話がややこしくなる前に上手くまとめてくれた照
さすが俺らのリーダー的存在だな！
でも、涼太の沈んだ表情は変わらなかった
dt「実はさ、新居の関係で引っ越しが来週の月曜日なんだよね…」
涼太の言葉に空気が重くなる
nb「えっ…？そんな話、俺聞いてない」
こんなギリギリになるまで聞かされてなかった事がショックだった
誰が知らなくても、俺には話して欲しかった
俺たちは物心ついた頃にはすでに一緒にいた
同じ幼稚園で親同士が仲良かったこともあって常に行動を共にしてた
家も割と近所だったにも関わらず学区が違ったため小中は別々の学校になってしまい、一時は疎遠になったけど
高校で再会
めちゃめちゃ嬉しかったのを覚えてる
お互い中学からの友達だったふっかと照、阿部と佐久間を交えて
高校生活は今までで1番楽しかったし
ずっとこの面子で大人になっても変わらずバカやってつるんでいられると思ってた
そんな想いも虚しく現実は厳しいもので、高３の秋頃には専門学校組の進学が決まり、涼太だけは他県の学校だったため、進学と同時に単身新たな土地での新生活が待っていた
つまり俺たちは物理的に離ればなれになる事を意味していて…
その現実を受け入れたフリをして、俺は今まで、この瞬間ですら涼太が遠くの土地へと行ってしまうと言う事実から目を逸らしていた
それが今、無理やり突きつけられた現実に為す術なく俺は呆然としていた
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作者名：shiro | 作成日時：2021年9月16日 22時
