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nb「しょっ！？おまっ！……ふっか、てめぇ！」
あだ名自体が嫌いだった訳じゃない
けど、高校時代を掘り返されて、その時代を知らない奴に知られてしまうのは、やっぱ恥ずかしいわけで
だいたいそういう事するのはふっかで決まってるから
俺はふっかに一言言ってやろうと金髪美少年を押しのけ店内へと入った
nb「あっ…」
1歩奥へ入ればホール全体が見渡せる間取りになっていて
4人掛けのテーブル席が窓際に4席ある
その1番端の席にふっかは座っていた
そのまわりを囲むように、懐かしい顔ぶれが
俺に向かって手を振っている
くそっ…
ふっかのやつ、また格好つけやがって…
鼻の奥がツンとして、込み上げてきたものをぐっと堪える
nb「久しぶり…」
目尻に薄らと涙を浮かべ、それでも俺は笑ってそう言った
ab「久しぶりだねー！」
優等生を絵に描いたような奴だった阿部は10年経った今もその雰囲気は変わってない
ただ、昔の阿部は頬っぺが少しふっくらしててあどけなさがあったけど、歳を重ねて頬の脂肪が落ちた分かなり男らしさが出てるなって思った
iw「おせーよ翔太！」
ふっかの隣で肘をついて座っているマッチョな男
nb「もしかして照！？」
高校の頃から筋トレが趣味だった照
でも高校の頃は背ばっかデカくなって体型自体はヒョロっこかったから
before、afterみたいな変貌ぶりに驚いた
そして、阿部の肩越しに動くピンク色のわたあめみたいなふわふわしたあの頭は…
sk「しょうたぁー！」
阿部の肩からひょっこり顔を出して、あの頃と変わらない、眩しいくらいの笑顔で名前を呼んでくれた
nb「佐久間っ…！おま、すげぇ色の頭だな…」
再会出来た嬉しさを隠すように佐久間をちょっとからかってみる
sk「んふふっ！可愛いっしょー！」
そんな俺の言い草に全く動じないのも昔のままで
みんなの変わらない笑顔に触れられて
ずっとずっと抱え込んでた後悔の念が溶けていくのを感じた
ふっかは席に座ったまま俺らのやり取りを眺めている間、ずっとニヤニヤしながらドヤってるから
ちょっと悔しいからそこには触れないでおいた
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作者名：shiro | 作成日時：2021年9月16日 22時
