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ふっかとの約束の日
19時に現地集合との事で、俺は足早に駅の改札を出た
スマホの時計は18時57分
走った所で間に合わないと分かってたけど、首元のネクタイを雑に緩めながら歩く速度を早めた
そう、俺は会社から直で待ち合わせ場所へ向かっている
というのも、仕事でちょっとした入力ミスがあり、その打ち直しに追われて1時間の残業
そもそも俺の仕事じゃないのに、ミスした張本人の後輩に泣きつかれて手伝うハメになった
『遠距離中の彼女が俺の為に会いに来てくれたんですよー！1秒でも早く会いたいじゃないですかぁー！！』
なんて言われて懇願されたら断れないよな…
電車で移動中に後輩から連絡あって、無事彼女を迎えに行けたそうだ
今度お礼させて下さいというメッセージと共に随分と可愛らしいスタンプが添えられていた
お陰で俺は完全にアウトなんだけど…
後輩のメッセージに『会えて良かったな』と一言送った後、俺はふっかに少し遅れるとメッセージを送った
2度目のこの景色も時間帯が違うだけでかなり街並みの表情が違って見える
この時間帯はわりと人通りが少ない
店舗が並ぶ通りには民家もチラホラあって、うちの会社近くの大通りのネオンとは違う、優しい灯りが集まっていた
その通りを真っ直ぐ歩けば見覚えのある白い塗り壁と赤茶の煉瓦屋根の可愛らしい外観が見えてくる
ふっかは俺との食事場所にあのカフェを選んでいた
どうも、オーナーさんと仲良くなったみたいで、すっかりカフェの常連客になっていた
俺が先に見つけた店なのに…
兎に角、カフェの外観が見えてきた所で俺は小走りで急いだ
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作者名：shiro | 作成日時：2021年9月16日 22時
