ノスタルジア (ページ22)

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『近いうちに絶対な！』っていう約束は、お互いの仕事上なかなか果たせず

10年振りの再会からもうすぐ１ヶ月が経とうとしていた

連絡は1週間に１回程度、お互いの近況報告みたいなメッセージのやりとり

ふっかはまたあのカフェに康二と行ってきたらしい

そして今回はそのカフェのオーナーさんと仲良くなったという報告までしてくれた

俺は結局あの1度きりで、相変わらず徒歩3分の所のコンビ二の弁当が続いてる

ふっかにそんな話をされたら無性にまたあのオムライスが食いたくなった

(次の休みにでも…)

と考えて、日曜の昼間のあの光景を思い出したら、少し躊躇ってしまった

それに、やっぱり気になるのはあの女性店員

彼女はもしかしたら涼太の彼女、もしくは奥さんかもしれないという疑惑があって

俺の中にまだ涼太への気持ちが残っている以上、またあの左手薬指の指輪を見るのは辛くて…

1人でぐるぐる考え込んでしまって、返信の手が止まっていたら

『水曜日の夜ひまー？』

というふっかからのメッセージがポンと出た

うちの会社の納期も終わって、今はすっかり落ち着いていた

ここんとこ定時でしっかり帰れてる

『たぶん定時で帰れる』

確か、ふっかの店は毎週火曜日と第2、第4水曜日が定休日

今週は第2週だから水曜日はふっかが休みだ

『よし！康二も誘って飯行こうぜー。わら』

語尾の『わら』を見つけてふっと笑いが込み上げる

『了解。手配はお前に任せた』

そう返すとすぐに『あいよー』というふっからしい短い返事が帰ってきた

そのメッセージにまた笑いが込み上げる

明後日の水曜日が今からちょっとだけ楽しみになった