ノスタルジア (ページ3)

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dt「あ、もう集まってる」

教室の扉が開いたかと思ったら、そこからひょっこり顔を出した人物

sk「涼太ー！おかえりぃ」

佐久間が両手を広げて跳ねるように涼太の元へ駆けていく

その姿と言ったらご主人様の帰りを待ちわびていたペットのポメラニアンみたい

佐久間の熱烈なお出迎えに涼太は穏やかに笑顔を返した

相変わらず佐久間はテンション高ぇなぁと思うけど、これがコイツの通常運転だから逆に感心するわ

いっつも一緒にいる阿部は『あしらい方熟知してるから』って言ってたけど長年の付き合いで身につけたスキルがあっても、俺じゃ真似出来ないなって思う

dt「何の話してたの？」

俺を囲むようにして集まった輪の中に、涼太も当たり前のように入ってきた

nb「この後カラオケ行こうって…」

fk「なぁ！告白されたの！？」

俺が話終わる前にふっかに話を切り出された

正直、その話はされたくなかった

結果はどうあれ涼太もそういう対象なんだって嫌でも思い知るから

dt「まあ、そういうのはさデリケートな部分だから…
相手が居る居ない関係なく、興味本位で話したりするのは良くないよ」

(上手く躱しやがって…)

遠回しな言い方をしてるけど、言葉の節々にそれとなく残されたワードは

明らかに告白してきた相手の事を示している

別に相手は誰かも知らねぇ後輩なのかも知れないし、俺ら6人の内輪だけの話にすれば良いだけの話なのに

涼太は結局、誰と居たか何をしていたのか教えてくれなかった

涼太らしいと言ったらそうだけど、俺は気が気じゃないんだよ

dt「ねぇ、それよりカラオケがどうって、さっき翔太が」

fk「ああ、今日17時にいつものカラオケ店に集合って話」

頑なに話さなかった涼太につまらなそうな顔をしてそう言ったふっか

dt「わかった。ありがとふっか」

fk「お、おぅ」

いつも相談無しに勝手に決めちゃうふっかに律儀にお礼を言うのもいつもの光景

ふっかの機嫌も治ったみたいだ