ノスタルジア (ページ16)

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なんか、勢いで入店してしまった

女性客ばかりの店内でアラサー男子が1人

窓際のテーブル席を陣取ってる風景は、想像もしたくない

俺が他のお客さんにどう映っているのか気になりつつも、オムライスとアイスコーヒーを注文した

注文した料理が届くまで、俺はこっそりと店員の女性の行動を見ていた

小柄でよく笑う感じの良さそうな子

年齢は俺や涼太より少し年下かな

仕事は丁寧だし、粗を探すも今のところで全く無くて

ますます涼太の彼女に相応しい女性だなって認めざるを得なくて

気分は沈む一方だ

「お待たせしました、オムライスとアイスコーヒーです。
こちらセットのサラダです」

俺のテーブルに例の彼女が料理を運んできた

テーブルに料理を置いて、最後に伝票をテーブル脇に置いてくれた

その左手の薬指にはシルバーのシンプルな指輪が光っていた

(えっ…まさか！？)

嫌な事ってよく続くって話聞くけど

涼太関連のことが色々起こりすぎて、もう、頭ん中パニックだ

「ごゆっくりどうぞー」

俺に笑顔を向け去っていく彼女

とってもいい子そうだ

(今、幸せなのかな…)

ふと、そんな事を考えてオムライスを1口食べた

nb「うわっ、うまっ！」

注文したオムライスは俺好みのふわとろ卵で、中のチキンライスは酸味を抑えたケチャップライスになっている

悔しいけど、たぶんまたこの店に来てしまうかも

それだけこのオムライスは俺が出会ったオムライスでダントツ1番に美味かった