ノスタルジア (ページ15)

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翌日、休みなのに午前中に目が覚めた

それだけ今日が楽しみで仕方なかったのか？…俺

窓から射し込む日差しに目を細め、大きく背伸びをする

予約の時間まで、まだずいぶんと時間はあるけど

俺は出かける準備をした

ふっかの店の周辺を検索したら雑貨屋、服屋、カフェとか色々と時間を潰せそうなスポットが多かった

そこで周辺探索をしようと考えついた

出不精な俺が思い切ったことするなって自分の事なのに驚いてる

思っていた以上にあの時の事を俺は引きずっていたのかもしれない

久し振りに会えて、ふっかの言葉に

俺の中にあった引っ掛かりが取れたような気がした

ふっかの店の近くまで来てスマホを開くと時間は正午を少しまわっていた

nb「なんか食うか」

朝飯はコーヒー1杯だけだったし、先に周辺をブラブラしてたら食いっぱぐれそうで、先に昼食をとる事にした

自宅から電車で1駅なのに、会社と逆方向ってだけでこっち方面の土地勘は全く無くて

あたりをキョロキョロしながら歩く姿は傍から見たら不審者か何かに見えてしまってただろう

駅から15分くらい歩いた所で小さな可愛らしい外観のカフェを見つけた

白い塗り壁にえんじ色に近い茶色の煉瓦屋根のような創りがそこだけ海外の街並みを切り取ったかの様に違う雰囲気を醸し出している

味のある木造の扉から店内を覗く

女性客でいっぱいだった

たしかに、女性が入りやすそうだし、何より店の雰囲気が女性好みで客層が女性に偏るのも頷ける

「いらっしゃいませ、おひとり様でよろしいでしょうか？」

店内の様子を覗いていたら、この店の店員さんらしき女性が現れた

nb「あ、や、俺は…」

圧倒的な客層の偏りに入店を躊躇っていた俺

でも、接客にやって来た店員さんの顔を改めて見て驚いた

(この子、この前の…)

はっきりと見たわけじゃないけど、今目の前にいるこの店員の女性によく似た女性を俺は見たことがある

10年振りに見た涼太の隣を歩いていた

あのロングヘアの女性にそっくりだった