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10年振りに見かけた涼太の姿が頭から離れず数日が経って
気がつくと自宅と会社を往復するだけの道に咲いていた桜が見頃を過ぎてハラハラと雪の様に花びらを降らせていた
この時期になると仕事も落ち着きを取り戻し始め
休日出勤から解放されて久し振りに連休がとれた
とは言っても、特に予定も無かった俺は
部屋の片付けやカーテンやシーツ等、頻繁に洗えないファブリック類を洗濯して
ベランダいっぱいに干したらする事が無くなってしまった
カバーのないソファに寝転び動画アプリをひらく
なんとなくチャンネル登録していた動画を淡々と垂れ流しながら、ぼんやりと眺めて時間を潰した
ずっと忙しかったんだから、たまにはダラダラしたって良いよな…
そう思ったか思わないかの瀬戸際で、俺の記憶は朧気になって
再び意識を取り戻した時には、辺りが薄暗くなっていた
ソファから起き上がり、窓のほうへ目をやると濃いオレンジの空と、淡いピンクとも紫とも言い表せない空色が綺麗なグラデーションを作り
日暮れ前の黄昏時を演出していた
慌ててベランダに出て干していたものを手荒に取り込む
洗濯物を取り込んで、カーテンを取り付けソファにカバーを取り付けたら、外はすっかり日が落ちて暗闇に街の灯りが灯されていた
その様子を確認して一息入れようかと思った時だった
ぐぅぅぅ
盛大に腹がなって気がついた
朝から何も食べてなかった
nb「なんか食べるか…」
自覚したら急に何か食べたくなって冷蔵庫を開けた
自炊は全くしない
やって白米を炊くぐらいで、だから冷蔵庫の中身も寂しいもので、ミネラルウォーターと化粧水しか入ってなかった
nb「めんどくせぇー！」
文句言ったところでどうにかなる訳でもないから
仕方なくテーブルに置きっぱなしのスマホと財布を掴んで今日最初の外出をした
と言っても行き先は徒歩3分のコンビニなんだけど
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作者名：shiro | 作成日時：2021年9月16日 22時
