ノスタルジア 4

pm. ページ20

nb「もしもし‥‥」


dt「翔太？良かったぁ、なかなか繋がらないから心配した。今どこ？」


やっぱり心配してくれたんだと感じて、ますます本当の事が言い出しにくかった



nb「ごめん、まだ俺んちなんだ。仮眠のつもりが寝過ごしちゃって、今から出るとこ。映画、まだ間に合うかな？」



dt「映画なんて全然いいよ。それより、無理してない？寝過ごすぐらい疲れてるんじゃない？」



nb「平気、寝たらスッキリしたし。もう料理作ってるっしょ？腹減ったし、飯だけでも食いに行っていい？」



そう伝えるも、涼太は何か考えるように「うーん」と小さく唸ったあと黙ってしまった



nb「涼太？」


dt「翔太、やっぱ今日は止めよう。なんか翔太やっぱ調子悪そうに聞こえる」


nb「何言って、俺は平気だって言ってるだろ？」


dt「べつに、今日じゃなきゃ駄目ってわけでもないし、食材も冷凍すれば大丈夫だよ」


涼太の言いたい事は分かってる。

俺の事が心配だから、俺に責任感じさせないように振舞ってるのもわかるんだ

でもさ、少しでもいい。一瞬でも良かったんだ





それでも俺に会いたいって、感じたかった





nb「俺が行ったら迷惑？会いたくない？」



だけどぶり返してきた熱でちゃんとした判断がとれなくなってるのか

売り言葉に買い言葉のように、いつも以上に頑なに自分の意見を曲げる気になれなくて



dt「は？そんな訳ないだろ。それとこれとは話が別！
‥‥翔太、ホントに無理して欲しくないだけなんだよ」




相手が涼太だから尚更、俺の意志が通らない事に悔しくて、腹がたってきて‥‥



nb「お前からデートするって‥‥いってきたんじゃねーか」



dt「そうかも知れないけど‥‥。なんで伝わらないかなぁ‥‥」


涼太が面倒くさそうにため息混じりにそう呟いた



nb「やっぱ迷惑なんじゃねーかよ！」


dt「だから違うって！翔太明日も仕事でしょ？
明日の仕事に影響でたら俺も責任感じるし」


nb「涼太がそこまで気にする事じゃねぇ‥‥」


熱で意識が半分朦朧としてるらしい

自分でも何言ってんだかよく分かんねぇ









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