ノスタルジア 4

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iw「翔太のマンションこの辺だろ？」


気まずい空気を断ち切るように、照が声をかけた


俺に気を使って無理して何もなかったような素振りが少し申し訳ない



nb「あぁ、そこ左に曲がればエントランス前」


i「りょーかーい」


信号のない交差点。一時停止してゆっくりと左折した






俺と別れたら、そのままふっかの元へ行くのかな

どんな気持ちでふっかに会うんだろうか




自分の気持ちも相手の気持ちも分かった上で、友達として接してるって事だろ？



(そんなの辛過ぎるじゃんか‥‥)



iw「降りるのここでいい？」


マンション入口の前に路駐すると、直ぐにハザードをつけた


雨は相変わらず勢いは変わらず、入口までの数十メートルを走り抜けようと気合いを入れた



(あれっ！？)



開閉レバーに手をかけた時、急にある疑問が浮かんだ




iw「翔太？」


nb「照、俺に感化されたってどうゆう事？」


その前に言ってた言葉があまり聞き取れなかったから流してしまってたけど



iw「どうゆうって、そのまんまだよ。俺も頑張ろって、翔太みたいに進展させたいじゃん？」


nb「えっ？‥‥あ、そっか。そっか！そうゆう事な！」


ふっかと両想いじゃなかったって事に勝手にショックを受けていた俺は、大事な部分を見過ごすとこだった


照はまだ諦めた訳じゃないってこと。可能性がゼロじゃないのなら、まだ希望はあるって信じてる



nb「じゃあ、お互い頑張ろ！俺は照とふっかはうまくいくって信じてっから！」


iw「おぅ！なら翔太には絶対に、何がなんでも舘さんと上手くいって貰わないとな！
じゃなきゃ、まぁたふっかがフラフラしちゃうから」


nb「えっ？なんでアイツがフラフラすんの？」


そう聞き返したら次の瞬間、照のスマホに着信が入った


iw「やぁっべ、ふっかだ！」


nb「あっ！わりぃ、俺が引き止めたから！」


慌てて俺はドアを開けた


iw「わりぃな翔太！今度また、ゆっくり飲もうな！」


照の言葉に大きく頷きドアを閉めた



雨粒だらけのガラスを隔てて、お互い手を振り合うと、照はまた雨の中車を走らせた







俺も照の車を見届けてやりたかったけど、この土砂降りの中傘も無いまま立ってる根性もなく、一目散にマンションの入口まで走った



きっと誰も知らない照の秘密と、ずっと言えなかった俺の秘密と、2人で誓った約束を


短い時間だったけど、ちゃんと話せて嬉しかった






明日はもっと、いい日にしようって心に決めた






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