side:sk ページ10
息が、できない
sk「あ‥‥。っく‥‥うぅっ‥‥」
何日も何日も、俺は阿部ちゃんにメッセージを送り続けて、これ以上やっても、意味ないのかなって心が折れかけてた頃
やっと阿部ちゃんから連絡が来たと喜んだのも束の間
返ってきたメッセージの内容に愕然とした
『友達やめたい。もう会いたくない』
何かの間違いだって思った。冗談だよってふざけたスタンプ添えて、また送られてくるって思ったのに
阿部ちゃんからのメッセージは二度と返ってこなかった
sk「や、やだよ‥‥あべちゃ‥‥」
慌てて阿部ちゃん宛てにメッセージを送ろうとスマホ画面に映るキーボードをタップするんだけど、指が震えて上手くメッセージが打てなくて
それが煩わしくなって電話をかけた
何度コールしても一向に出る気配はない
1度切って、再度かけなおす
それを何度も繰り返す
スマホを持つ手が震えて、次第に呼吸は乱れて
涙がとめどなく流れ落ちた
俺があんな事言ったからだ
‥‥‥でも、なんて言ったら良かった？
分かんないよ‥‥
阿部ちゃんの『好き』と俺が感じてる『好き』は違う
だからって今までの俺たちの関係まで切るなんて出来ない
それって自分勝手なのかな
俺と阿部ちゃんはタイプが全然違うけど、俺の偏った拘りを1番理解し認めてくれてたのは阿部ちゃんで
俺も阿部ちゃんのちょっとズレた価値観や、ストイックで努力家なとこ凄いって思うし、でもおっちょこで危なっかしいとこも可愛くて
そんな阿部ちゃんだから毎日一緒にいたって飽きる事なんてなかった
でも阿部ちゃんは、それだけじゃダメだったんだよね
『一緒にいたい』って気持ちは同じなのに、なんで？
会いたいよ。ちゃんと阿部ちゃんの言葉で聞きたいよ
・
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作者名：shiro | 作成日時：2022年11月6日 21時
