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sk「阿部ちゃん、俺バカだから全然そうゆうの気づけなくて‥‥」
なんで？佐久間が悪いみたいに言うのさ
こうなったのは全部俺のせいなのに
ab「佐久間を困らせるつもりは無いよ。ちゃんと終わらせるから」
佐久間の手を離して、俺は再び玄関のドアノブに手をかけた
ab「じゃあね。バイバイ」
その言葉にどれだけの意味が込められてるか、きっと佐久間は気づかない
でもそれでいい。そんで少しずつ忘れてくれればいい
俺も出来るだけ早く忘れるから‥‥
翌日は、1日どうやって過ごしたのかよく分からなかった
たぶん普通に出勤して、普通に仕事して、いつもの時間に帰宅した
気がついたら1日の大半が過ぎていて、ずっと見られなかったスマホには沢山の佐久間からの着信とメールがあって
それでも俺は返信が出来なくて
ベッドに潜り込んで無理やり目を閉じた
目を瞑っても、瞼の裏に浮かぶのは困惑した佐久間の表情
佐久間はあの時間違いだって、冗談だって言った
それが佐久間の答えの『全て』なんだ‥‥
分かってたはずだったのにな
どこかで期待してたのかな‥‥
ab「‥‥‥っつ」
喉の奥から小さな嗚咽が出た
布団の中で、体を小さく丸めて
俺は声を殺して泣いた
『阿部ちゃんとどうしても話がしたい』
もう何日も佐久間からの一方的なメッセージに、俺は何も返信をしないのに
それでも毎日メッセージを送り続ける佐久間
メッセージの内容は見てるから、俺が既読してることを知っているはず
それでも返さないんだから、連絡を取り合うつもりはないという意思表示のつもりなんだけど
やっぱり佐久間にははっきり言わないと伝わらないのだろうか
『阿部ちゃんと会って話がしたい！阿部ちゃんの顔見て伝えたいことがあるんだよ』
こんな内容を送り付けられたら、もう頭に浮かぶ事は一択しかなかった
それってつまり、この前の件の事を言ってるんだろう
面と向かって俺の事振る気なのかな
佐久間って変なとこで律儀で筋通したがるからな
返事を曖昧にしておく事が心苦しくなったのかな
俺的にはこのまま全部、消えて無くなればいいのにって思ってんだけど
俺、いよいよ病んできたわ‥‥
ab「ごめんな、佐久間‥‥」
俺は久しぶりに、佐久間へメッセージを送った
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作者名：shiro | 作成日時：2022年11月6日 21時
