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ab「翔太、かっこいいよな‥‥
久しぶりに会ったのに全然変わってなかったし」
俺の外面の良さに程々呆れる
なんで俺、笑ってられるんだろう
翔太と再会して、佐久間の気持ちが動き出すんじゃないかって、怖くて堪らないのに
sk「うん、俺ねぇ、翔太に憧れてたんよぉ。正義感あってぇ、漢気もあってさ。ちょっと毒舌だけど何やかんやでめっちゃ優しいじゃん、アイツ？
そんな翔太がさぁ、俺ぇちょー好きだったなぁって思い出した！
そんで、10年経っても変わってなくてちょー嬉しかったな」
ベッドの上で大の字になって、ふにゃふにゃの笑顔で翔太を語る佐久間
俺の心臓は握り潰されてしまいそうな程に苦しくて痛くて
言葉にならない感情が溢れて
気がつけば、俺は佐久間を組み敷くように覆い被さっていた
sk「ん？阿部ちゃんどした？」
酔いが回ってトロンとした目は、それだけで艶っぽくて
今にも辛うじて残る理性までも吹っ飛びそうだった
ab「佐久間は、誰が好き？」
sk「えー？みんな好きだよぉ
翔太もぉ、阿部ちゃんも、涼太も照もふっかも、みんな俺の大事な仲間だもん」
こんな状況下でも、そんな事を言ってしまえる佐久間に、はぐらかすという概念は無く、純粋にそう思っているって痛感させられた
『大事な仲間』‥‥分かってる。俺はそのポジションを守りたくて、悟られないように気持ち誤魔化して今までやってきたじゃないか
なんで今更‥‥
どうして今になって、こんな時に
佐久間の『特別』になりたいと強く強く思ってしまったんだろう‥‥
ab「佐久間、だいぶ酔ってるね？顔熱いよ？」
佐久間を組み敷いたまま、見下ろした先の佐久間は睡魔に襲われ始めたのか目を瞑ったまま口を開いた
sk「お酒も進んじゃうでしょぉ。めっちゃめっちゃ楽しかったもん。
またやりてぇなぁ‥‥」
今にも消えてしまいそうな声で、微睡みながらそう語る佐久間
長いまつ毛、口角の上がったピンク色の唇。真っ白な肌に対照的に並んだホクロ
どれも全て、愛おしくて堪らない
誰かのものになって欲しくないと、今日ほど思った事はない
そっと触れた張りのある唇に、俺は自分の唇を重ねた
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作者名：shiro | 作成日時：2022年11月6日 21時
