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sk「俺さー、翔太にちゃんとお礼言えてないんだよ。
俺と阿部ちゃん、いつも翔太に庇ってもらってたのにさ‥‥。
だから、卒業式の日ぐらいちゃんとお礼言おうって、思ってたんだよね‥‥」
そんな事もあったなって、俺も昔を思い返してみた
普段から口が悪くて、佐久間やふっかはよく翔太にディスられてたけど
俺と佐久間がよく特定の男子にからかわれると、いつも翔太が俺たちの前に立って庇ってくれた。
そんな正義感の強い一面もあった
同じ男としてカッコイイって思ったし、憧れた
ただ舘さんの前だと、そんなトゲトゲした部分は削ぎ落とされて、ちょっと可愛くなる所も俺は気づいてた
翔太と舘さんが並んだ時の空気感が、俺は好きだった
幼なじみ特有の何かがあるのかなって思ってたんだけど、それだけじゃない気もするんだ
2人はお互いに想い合っている
そう感じるようになってからは辻褄が合う気がして、それ以上に2人の関係性に憧れていた
『ゆり組担』なんて自称してたけど、自分も佐久間とそうゆう関係になれたら良いなと密かに思ってたから
ゆり組の2人と、俺と佐久間を重ねていたんだと思う
だけど、
そんな翔太に佐久間はもしかしたら、友達以上の感情を抱いていたのかもしれないと、当時の俺は感じていた
佐久間が恋愛感情に疎いのは知ってたから、自覚がなかっただけで、たぶんそうだと思った
結局、佐久間からそれらしい事は聞き出せなかったけど‥‥
そんな未消化なままになったものを抱えていたから
卒業式の日を境に、翔太と連絡がつかなくなって
佐久間はショックを受けてたけど
俺は心のどこかで安心していたんだ
もうこれ以上、佐久間は翔太へ気持ちが向くことはないだろう。きっとそのうち気付く事ないまま忘れてしまうだろう
なんて、最低な事まで考えていたんだ
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作者名：shiro | 作成日時：2022年11月6日 21時
